2016-12-05 上げたのは5日後
■[報道]『世界まる見え!テレビ特捜部』金持ちさん・貧乏さんSP
今回はとにかく薄い。金銭を無駄に浪費する金持ちは笑うだけ、貧乏人の高楊枝も笑うだけ、社会構造にまったく目を向けない。
特にひどいのが「パリを困らせる中国人旅行客」と「コンゴ共和国で発見! 世界一!? おしゃれな男たち☆」。
前者はヨーロッパで弾丸ツアーをおこない、名所旧跡は短時間の滞在ですませて、ひたすら“爆買い”に時間をかける中国人を迷惑がる。スタジオのゲストも、ビートたけしをふくめて中国人観光客のマナーの悪さを列挙する。ゲストの森永卓郎が、30年前の日本もまったく同じだと指摘したのが唯一の救い。
後者は、コンゴでファッションを競うサプールをとりあげる。しかし高級ブランドに金銭をそそぎこむサプールの貧乏な生活とのギャップを笑うだけのようなつくりで、なぜサプールが現地から世界まで人気を集めているのかという背景をまったく紹介しない。今年に来日もはたしたというのに。
平和を身にまとう サプールのおしゃれ - 琉球新報Style - 沖縄の毎日をちょっと楽しく新しくするウェブマガジン。
24日に会場を訪れたサプールの一人、ジョン・バレタさんはこう語った。「サプールの哲学は、対暴力、対戦争。暴力や戦争に反対するための表現方法がおしゃれだということ。学校で勉強して働いてお金を稼いでも、武器は買わない。僕らは服を買って週末におしゃれをして出掛けることが楽しみなんだ」。
サプール名、イブ・サンローランさんは、70年余り前に大きな戦争があった沖縄で暮らす人々へのメッセージを語った。「沖縄に訪れて祈るのは、サプールのメッセージを伝え、沖縄の人々、日本の人々、世界の人々に理解してもらうことです」
「服が破れるから戦いたくない」という、すごくシンプルで根源的な平和の思い。「おしゃれ」という名の平和を身にまとうサプールたちの生き方、美学に学びたい。
バカ高い武器を捨てて、自分と周囲を楽しませる(家族にはあきれられる)こいきでいなせな伊達男たち。そんなサプールの側面をまったく説明しないのはひどすぎないか。