韓国 弾劾議案可決後初の集会「拘束すべき」厳しい声も

韓国 弾劾議案可決後初の集会「拘束すべき」厳しい声も
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韓国の国会でパク・クネ(朴槿恵)大統領の弾劾を求める議案が可決されたのを受けて、ソウルの中心部ではこれまで続いてきた大規模な集会が10日も開かれ、参加者からは可決を喜ぶ声が相次ぐ一方、「大統領を拘束すべきだ」などと極端に厳しい声も聞かれました。
韓国の国会では9日、パク・クネ大統領の長年の知人チェ・スンシル(崔順実)被告や側近らが起訴された一連の事件をめぐり、大統領の弾劾を求める議案が可決され、パク大統領の職務は停止されました。

ソウルの中心部では、大統領の退陣を求めるとして先週まで6回連続で開かれてきた大規模な集会が10日も開かれ、警察の発表でおよそ12万人が集まり、参加した人たちからは「弾劾議案の採決で国民の声が反映されてよかったと思う」などと、弾劾議案の可決を喜ぶ声が相次ぎました。

その一方で、大統領府から100メートル離れた場所では「大統領を拘束すべきだ」などと書かれたプラカードを掲げて抗議を続ける人もいて、地方から参加したという30代の女性は「大統領は職務停止になってもまだ大統領府の中にいる。出てくるまで抗議活動を続けるべきだ」と話していました。

このほか、10日は、保守系の団体も警察発表でおよそ4万人が参加して、ソウルの別の場所で集会を開き、議案に賛成した与野党の議員を非難するとともに、大統領は弾劾されるべきではないと主張しました。

韓国メディア 国政の安定優先を呼びかけ

パク・クネ大統領の弾劾を求める議案が可決され、パク大統領の職務が停止されたことについて、韓国メディアの多くは当面は国政の安定を優先させるべきだと呼びかけています。

このうち、有力紙の中央日報は1面の見出しで「国民が弾劾した。政治は応えよ」として、与野党が協力して国政の安定化をはかるべきだとしています。そのうえで、野党側がパク大統領の職務の代行を始めたファン・ギョアン(黄教安)首相に協力できないという姿勢を示していることを批判しています。

また、朝鮮日報は社説で、最大野党の「共に民主党」に対して「政局の主導権を握った野党はいくらでも国を揺さぶることができる存在になったが、安定を望む国民のことを考えるべきだ」と訴えています。

ただ、革新系のハンギョレ新聞は「ろうそく革命はこれからが本当の始まりだ」としたうえで、「憲法裁判所の判断が出る前でも大統領の辞任は可能だ」などと主張して、大統領の即時退陣を求めています。