利用者9割が「重大事故の危険性低い」「ラウンドアバウト」導入後の事故0件 合図は交差点を出る際に 岡山・浅口市
岡山県は、2016年4月に同県浅口市寄島町の交差点に中四国地方で初めて導入した環状交差点(ラウンドアバウト)の検証結果を発表。導入後の交通事故件数は0件で、県は「導入効果はあった」と結論づけた。ただ、交差点進入時はウインカーの合図が不要で、交差点を出る際に合図が必要なことを知らないドライバーや、知っていても合図を出さないドライバーがいることから、県では「啓発が必要」としている。
県によると、環状交差点導入後の交通事故件数は11月末現在で0件。導入前の平成24~26年の3年間に同交差点で起きていた事故件数、12件(人身事故6件、物損事故6件)と比べても効果がみられる状況だ。
導入後の検証では、環状交差点に設置した定点カメラで交通状況を観測したり、周辺の305世帯にアンケートを実施したりした。アンケートには89世帯(29%)が回答した。
ビデオ観測では、5月31日と7月27日の2回、午前8~9時の1時間の交通状況を観測した。交差点を走行した車は5月31日が414台、7月27日が424台で、いずれも交差点を逆走しそうな車はなかった。
9月に実施した自動車利用者へのアンケートでは「安全に走行できている」と回答した人が約6割いた一方で、「安全に走行できていない」と回答した人が約4割いた。「安全に走行できていない」と回答した理由として、一時停止しない車がある▽ウインカーの出し方が間違っている車がある▽利用に慣れていない-などが挙げられた。
重大事故の危険性については、約9割が「走行速度が抑制され、重大事故の危険性が低いと感じる」と回答している。
(産経ニュースより)