「安くて」「簡単にできること」をコンセプトにサービスを設計
撮影:野原誠治 写真一覧
長谷川: 日本の教科書って「Hi,How are you?」「Fine.Thank you.And you?」みたいなやり取りがいまだに書いてあったりするじゃないですか。「And you?」なんていうアメリカ人一人もいないですよね。僕はニューヨークにいたとき、それで恥かいたことありますから。
そういう意味では「とにかく会話をする」というのはすごくいいコンセプトですよね。オンライン英会話の講師というとフィリピン人というイメージがあるのですが、DMM英会話の場合は、どうなんでしょう。
上澤:他のオンライン英会話はほとんど100%フィリピン人の講師です。我々もフィリピン人の講師は多いですが、 世界中にいて現在60カ国ぐらいに講師が居ます。東欧が多いですが、アメリカやアフリカなどにも講師がいます。
長谷川:講師の選定というのは、結構厳しくやっているんですか?
上澤:基本的にはトップレベルの大学の出身者しか採用していません。
フィリピンもそうですが、途上国の場合、仕事を見つけることがなかなか難しいんです。大学を出ても仕事がないとか、英語がきれいにしゃべれるけど仕事がないという人もたくさんいます。なので、応募者が100人いるとしたら、実際に講師になれるのは5人ぐらいです。
長谷川:教材は、どんなものを使っているんですか?
上澤:自社にスペシャリストのチームがあって、そこで制作しています。また、出版社さんと提携して、ベストセラーになったシリーズを電子書籍として使えるようにしたりもしています。教材費は月謝の中に含まれていますし、入会金もいりません。だから、1か月やって、「今月は忙しいからやめて、また来月スタート」といったこともできますよ。
長谷川:ビジネスマンであれば「僕は夜11時からしかレッスンが受けられない」といった人もいると思うのですが、時間の融通もきくんですか?
上澤:レッスンは朝6時から深夜2時までやっていますね。また、これは弊社のサービスに限らないのですが、スマホでもタブレットでも、インターネットさえあればいつでも予約できるので極端な話、「今ちょっと時間が空いたから30分後にレッスンしたいな」と思ったら、その場で予約してレッスンできます。
先程お話しした通り、とにかくたくさん話してほしいと思っているんですよ。そうしないとうまくなりませんから。だから、毎日話してほしい。そのために、何が必要かと言うと「安い」と「簡単にできる」ということ。シンプルに言うとこの2つだけなんです。それからなんといっても楽しいこと。楽しくないと続けられないですから。
長谷川:じゃあ毎回同じ講師というわけではなく、その時に空いている講師のレッスンが受けられる訳ですね。
上澤:現在、我々のサービスでは2000人以上の講師がいるので、その中から自分で検索して、気に入った講師がいたらお気に入りに登録してレッスンをうけることができます。毎日同じ先生のレッスンも受けられますし、いろんな国の先生と話してみたいということであれば、それもできます。
今日はルーマニア人の美人の先生と話して、明日はアフリカの先生にアフリカは今どうなっているのか聞こうみたいなことができると楽しいのですよね。楽しければ続けてもらえますから。
長谷川:野球でいえば、テキストばっかり読んでないで、一旦バッティングセンター行って、気軽にガンガン打ってみろよってことですね。
上澤:その通りです。
試してもらえれば成果も実感できる
長谷川:僕がニューヨーク支局に赴任したときは、妻と子ども3人の家族5人で行ったんですよ。なので、もし当時、こういうサービスがあったら、子どもにも受けさせたかったと思うんですが、さすがにある程度勉強してからじゃないと厳しいですかね?上澤:もちろん、お子さん向けの教材も用意しています。正確にデータはとっていないのですが、4~5歳ぐらいの生徒さんも結構います。最初は全然できなくても、すぐに慣れてきてびっくりするぐらい上達するんですよね。
当初我々は、20~30代ぐらいのビジネスマンの方の利用が多いと想定していたのですが、実際にふたを開けてみると、お子さんから余暇の趣味として利用する60~70歳の方もいて結構幅広いなと、びっくりしています。
ちょっと話はそれますが、先日も小学校1年生ぐらいの生徒さんが、アフリカの先生からレッスンを受けていて、「幸せなら手を叩こう」の英語バージョンを歌ったりしていました。我々が子どもの頃は、アフリカ人と話すなんてテレビの中だけの話でしたけど、今はインターネットを使って割と簡単に実現できるんですよね。
長谷川:違う国の価値観に触れたり、海外の人に日本のイメージを聞くと考え方の幅が広がりますよね。僕もニューヨーク勤務の経験で人生観変わりましたよ。月並みですが、「井の中の蛙」だったなと。衝撃的だったのは、「めざましテレビ」の取材で、日本の総理と韓国の大統領の写真を並べて、どちらが「ジャパニーズプライムミニスターか」と質問したら、68%がイミョンバク大統領を選びましたからね。「過半数かよ!」って思いました。
東京の人たちが鳥取と島根の位置がわからないとか、関西の人が群馬と茨城がわからないといったように世界の中の日本って、それぐらいの認識だったりするんですよね。だから、フィリピンだけじゃなくて世界のいろんな人たちと話せるというのはある意味画期的だと思います。
上澤:ちなみに今の長谷川さんの英語力ってどれぐらいですか?
長谷川:まったくできないですね。日本に帰ってきてから2年半近くまったくしゃべってないですから。
ニューヨークに最初行った時も、とにかく全然しゃべれなかったですね。そうは言っても日々の生活で英語に揉まれていく中で、最後は街頭インタビューを通訳なしでできるぐらいにはなりました。それでも、アメリカの検察官とか法曹関係者にインタビューした時なんか、リーガルイングリッシュが難しいので、立ってインタビューしながら寝そうになりましたね。そんなの初めてでしたよ(笑)。
とはいえ、忘れるのも早かったです。アナウンサーは、基本日本語のプロの仕事ですから英語は全然使いませんし、今はもう中学生以下かもしれません。
上澤:我が社のサービスの場合、レベル別に教材があるので、そういう方でも大丈夫ですよ。長谷川さんみたいに、昔アメリカで働いていたけれど、最近使ってないからもう一度始めたいみたいな人もいれば、アルファベットが読めるぐらいのレベルで1から始めたいという人にも対応できます。
何度も言いますが、とにかく、どうやったらたくさんはなしてもらえるのかを考えているんです。たくさん話してもらうと実際にうまくなるわけですよ。3か月ぐらいやってもらえば実感できるぐらいに上達します。私たちとしては、価格というのはそれほど重要ではなくて、とにかく試してほしいと。英会話学習の手段として圧倒的にバリューがあると思っているので、一度試してもらえば成果も実感できると思います。
途上国に雇用の機会を提供する社会的意義のあるビジネス
長谷川:DMM英会話は、これからどんな展開を考えているんですか?上澤:オンライン英会話は先ほど申し上げた通り、まだまだ全体でも5~6万人の市場規模しかありません。NOVAさんがテレビで常に「NOVAウサギ」のCMやっていた頃、日本全国で通学制の英会話に通われていた方は、おそらく60~80万人ぐらいいたと思います。なので、現在の5万人という市場規模は将来的には10倍ぐらいにはなるはずなので、そこまで伸ばしていきたいですね。
ビジネス的には生徒さんがお金を払ってくれるので、そちらに目が行きがちなんですが、生徒さんが増えると、我々にとっての商品である講師の質の確保が重要になってきます。オンライン英会話は、インターネットを使ったサービスですが、カメラの向こうにはちゃんと人がいて1対1で話します。人と人がやるものなので、そこのクオリティにはかなり気を遣っています。
こうしたサービスを提供することで、日本人は英語をしゃべれるようになる一方で、フィリピンや我々の講師がたくさんいるセルビアやルーマニアといった貧しい国で大学を出て、英語も上手にしゃべれるのに仕事がないという人たちに雇用の機会を作ることができます。そういう意味でも社会的意義のあるビジネスだと考えています。
長谷川:生徒数が10倍になれば、講師の方も10倍必要になるわけですからね。
上澤:現在、ヨーロッパにもフィリピンにもアメリカにもスタッフがいて、たくさんの応募者の中から採用してトレーニングをするということを地道にやっています。それを1年半積み重ねてきて現在、講師の数が2000人以上となっているわけです。
この事業に関わる多くのスタッフは実際に現地で講師の採用やトレーニングにほとんどの時間をさいています。講師の数が増えても、我々の保つべきクオリティや生徒さんに喜んでもらうためのレッスンをサービスとして、しっかり提供していくことが重要です。我々としては、「価格は安いんだけれども、“しっかりとした”サービスを提供すること」を大事にしているのです。
長谷川:2020年に東京でオリンピック・パラリンピックがありますし、グローバル化もますます進むでしょう。楽天さんやユニクロさんのように国内でも英語力を非常に重要視する企業もありますからね。
言うまでもないですが、もう日本の企業が日本国内だけでどうこうできる時代じゃありません。英語というのは世界に出ていく上で、最低限必要なものですから、DMM英会話のシステムが、それこそ学校とかにも導入されてスタンダードになっていくという時代も近いのかもしれませんね。
上澤:個別にお名前は出せないのですが、実際に大学や中学校にご契約いただいて、授業の中で利用していただくというようなケースもあります。例えば、1時間の授業で、最初の30分は文法の部分をやって、あとの時間はオンライン英会話に充てるといった使い方をし ていただいているようです。
長谷川:そうなんですね。僕もこの機会に、久々にチャレンジしてみようかな。それこそ“チャレンジ”というような敷居の高いものですらないですからね。
上澤:そうですね。そういう感じで気軽に使ってみてほしいです。【PR企画】
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