成宮寛貴、突然の引退発表 薬物疑惑報道から1週間「今すぐ消えてなくなりたい」
写真週刊誌「フライデー」で2度にわたり、コカインなど薬物使用疑惑が報じられた俳優・成宮寛貴(34)が9日、突然の芸能界引退を発表した。所属事務所トップコートの調査では、薬物使用の客観的事実は確認できなかったが、性的嗜好について連想させる記述もあった報道を受け、成宮自身が「自分のプライバシーを暴かれ続けることは耐えられない」と表舞台から消えることを決意。8日に事務所に申し入れたという。
衝撃の薬物疑惑報道から1週間。成宮は電撃引退の道を選んだ。
この日、成宮は報道各社に直筆のコメントを送付。引退を決意した理由を薬物でなく精神面と説明した。「これ以上自分のプライバシーが人の悪意により世間に暴露され続けると思うと、自分には耐えられそうにありません。少しでも早く芸能界から去るしかない」
第1弾となった2日発売の同誌で、同性との交際疑惑に触れられたことも大きかった。「仕事をする上で絶対知られたくないセクシャリティな部分もクローズアップされ、間違った情報が拡がり続ける事に言葉では言い表せない不安と恐怖と絶望感に押しつぶされそう」とつづった。
それでも、唐突感は否めない。2日に薬物疑惑が報じられた際は、所属事務所とともに「事実無根」と全面的に争う姿勢をみせていた。その後は連日、法的手段に向け事務所と話し合いを重ねていたという。事務所も薬物鑑定などの調査で「薬物使用を裏付ける客観的事実は確認できませんでした」としていた。ところが、9日発売の同誌が「コカイン要求の肉声データ」とし、生々しいやりとりを明かすことが判明。8日に成宮自身から引退の申し入れがあった。事務所は慰留したが、本人の意思が固く受け入れたという。
この日は「すべての原因を作ったのは自分自身。心から信頼していた友人に裏切られ複数の人達が仕掛けた罠に落ちてしまいました」とし、薬物疑惑に直接触れることはなかった。突然の引退を受け、事務所は対応に追われた。CM各社へ事情を説明し、1月から出演予定だったテレビ朝日系連続ドラマの降板を申し入れた。引退宣言を受け、都内の自宅前には報道陣約30人が集まったが、ひっそりとしたままだった。
成宮は人気ドラマ「相棒」や故蜷川幸雄氏の演出する舞台に出演。若手実力派俳優として活躍。母子家庭で、実業家の母が死去した後は高校に進学せず、新聞配達などで弟を大学に進学させるなど家族思いで優しい面も持つ。成宮を知る人物は「人間的にいい人。でも酒好きで泥酔することも多かった。寂しかったのかも。やめるのはもったいない」と引退を残念がった。