故障を抱えている選手にどんな練習をさせるか?
悩みどころではないですか?
〇何もできることがないということはほとんどない
冬季練習についてまとめています。
今回はケガ人の扱い、ケガを抱えている選手にどのような練習をさせるかということについてまとめたいと思います。
ケガと言ってもいろいろなケガがあります。
肩や肘のケガ、膝や足首のケガ、腰のケガ、など選手によって痛めているところは違います。
また、医者からの指示も選手によって異なります。
ですから個々に応じて対応は変わってきますが、
私は原則的にできる練習はやらせます。
医者から絶対安静などと言われた場合はもちろん別ですが、何もできる練習がないということはほとんどないはずです。
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〇故障に応じてできる練習を!
たとえば肘をケガしている場合は、投げたり打ったりすることに支障が出るでしょうが、走ったり筋力トレーニングをしたりできます。
足を痛めていても、椅子に座ってスローイングの練習やバッティングの練習、あとはダンベルで上腕を鍛えたり、握力を鍛えたりはできます。
できる練習は全体といっしょに行わせて、できない練習メニューの際に別メニューにするという形をとるわけです。
よく、ケガをしているからと言って練習を休んだり、見学・お手伝いをさせたりというケースを見ますが、それでは野球は上手になりません。
極端なことを言うと、骨折していてもできる練習はあります。
・肩、肘のケガ→ランメニュー、チューブ、筋トレ、やれる場合はバッティング練習
・腰のケガ→チューブ、柔軟、リストカールなどの手首強化、やれる筋トレ
・足のケガ→椅子に座ってスローイングとバッティング、チューブ、できる筋トレ
など個別にメニューを考え、少しでも練習をさせるべきです。
経験上、何もやらせないよりも、少しでもできるメニューをやらせた方が復帰は早くなるし、復帰した際に慣れるのが早く、再故障のリスクが減る感じがしています。
もちろん、痛い部位を酷使させるという無理は禁物ですが。
場合によっては入念にストレッチを続けるでも構わないと思います。
〇故障している選手のモチベーションを維持する方法
また、これはメニューとは異なりますが、ケガを抱えている選手はどうしてもモチベーションが低くなってしまいます。
そこで、私はケガをした選手とは必ず個別に面談をするようにしています。
その面談で
①復帰を待っているということ
②選手の目標は何なのか再確認すること
③ケガをしていてもできることがあるということ
以上を話します。
そうすることで少しでも気持ちが切れるのを防ぐわけです。
以前、外野手のレギュラーを取りかけたところで肩を痛めてしまい、1か月ほど投げてはいけないと言われた選手がいました。
私はその選手と話をして、「この1か月を有効に使い、左バッターに転向しよう」と提案しました。
幸い軽い素振りはできる状態だったので、彼はやる気になり、練習中もくもくと左でスイングしていました(余談ですが、初めは靴ベラから始め、ほうき、軽量バットと変えていきました)。
1か月たち、彼が復帰するころにはまだまだ未熟なものの左バッターっぽくなっていて、足を活かして活躍できるようになっていました。
もちろんケガ人は出ない方がいいに決まっていますが、ケガ人が出てしまった場合はこのように対処してみてはいかがでしょうか。
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