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ちえてとら

人として成長することができる読書が好きです。 このブログでは、わたしが読んだ本についてを主に綴っています。 読んでいただけたら嬉しいです。

 辰巳芳子さん    食べること    読書  

 

「食べる」ということは、呼吸と等しく、いのちの仕組みにくみこまれているものです。
 呼吸をしないと死んでしまうように、人は食べなければ生きていけない。「食べる」ことは、生きることそのものなのです。これは抗いがたく厳然とある事実。だからそのことをよく思い定め、積極的に受け入れて、「食べる」ということをまっとうに生きていかなければならないのです。

  辰巳芳子 著 「いのちの食卓」より

 

 

自炊することや、きちんとした食べものをとることの大切さに気付きはじめた頃に、辰巳芳子さんという料理研究家の本に出会いました。

 

辰巳芳子さんの本に書いてある言葉から、大事なことを沢山学んできた。

家庭料理の基本的な作り方や技術は、母から。そして家庭料理における考え方や哲学的なことは辰巳芳子さんの言葉から学んだと思っている。

 

 

辰巳芳子さんの料理に対する心構えや考え方が本当に素晴らしいと感じます。家族や周りの人のためを想い、真摯に家庭料理と向き合ってきたのだろうなぁ。

 

 

食べものの ”旬” という概念を意識するようになったのも辰巳芳子さんの本がきっかけでした。

恥ずかしいのですが、わたしは野菜の ”旬” なんて気にかけたこともなく、考えたことがありませんでした。母くらいの世代の人にとっては当たり前の概念で教えるほどの事でもないようなのですが・・・。

食べものの ”旬” を意識するようになってからは、調べたりして料理に取り入れるように心掛けていきました。そうすると・・・身体がすごく元気になるのを実感したのです。

風邪をひかなくなったり、食を大切にするようになってからは本当に身体も心も元気になっていったように思います。

 

 

 

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人間の体調を自然に整えてくれる。それが、その土地の風土に根ざした食べもの

見回してみると、青いものといえば年がら年中ブロッコリーが登場する、テレビの番組や雑誌のお料理はおかしいと思いませんか?

春ならば、菜の花、小松菜、水菜などの菜っ葉が豊かに育ちます。

庭がなければプランターで育ててもいいのです。

トウが立って蕾を持ったら、それを摘んでいくとわき芽が出る。

それをまた摘んでいくと、次々わき芽が出て、ずっと蕾を食べることができます。

私は、3月から4月にかけて、ずっと毎日ご飯の上にさっとオリーブ油で炒めた菜の花をのせて食べていました。

そして6月に気がついたのです。

「今まで梅雨時になると必ず感じていただるさを、今年はどうして感じないでいられるのだろう」と。

春の小松菜の蕾のように、力のあるものを前もって食べこんでいたからだと気づいたのです。

植物の蕾は花成ホルモンに満ちていて、春の気だるさや神経の疲れを癒す力があると証明されました。

 

こうした風土の食べものは、そのときそのときの季節をしのぐためだけでなく、次の季節を迎える力にもなってゆくものなのですね。

秋にみのる根菜をたっぷり食べていると、冬に備える体力を補ってくれる。

だから私たちは、

次の季節を迎えうつ心組みをもって、その季節のものを食べてゆく必要があります。

 

それは決して贅沢なことではありません。

ごくあたりまえの食方法だったのです。

ところが今は、年がら年中トマトやキュウリが出回り、冷房や暖房が効き過ぎて私たちの季節感も失われてきていますから、意識してそれを求めようとしなければ、風土を実感することが難しくなっています。

 

スーパーが頼りの都会の暮らしは、何でもあって一見豊かなようだけれど、本当は吹けば飛ぶような暮らしで、本当の暮らしではないと、意識的に思ってください。

風土とともに暮らすことが、どんなに素晴らしいか、それがいかに本当の暮らしであり、知恵を生かした生き方であるかということを、よく注意して見て、感じてください。そして少しでもあるべき姿に生活を近づけてください。

  辰巳芳子 著 「いのちの食卓」より

 

 

 

www.chietetra.com

 

 

 

 

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