先日EUの報告書が、シリアとイラクでの欧州からのIS参戦者の15〜20%が、戦闘で死亡した、としていることを報告しましたが今度は米国防総省と、有志連合の過激派に対する打撃の評価です。

al qods al arabi net とal arabiya net は、国防総省の責任筋が、過去2年間で有志連合はISメンバーを少なくとも50000名は排除(要するに殺害したということか)したと発言したと報じています。
同筋は、これは数字を誇示している訳ではなく、実際に起きたところで今後その影響は大きいと語った由。
なお、記事は、米軍はべトナム戦争以来、body countとして、敵の死者数を発表して、勝った、勝ったとしていたが、現実には戦争に敗れた反省に立ち、最近は余り敵の死者数を誇示しないことにしているとコメントしています。
記事は更にバグダッドの有志連合軍報道官が、モースルの戦闘で数百名のIS戦闘員が殺され、遺憾なことにISは未成年者まで戦場に送り込んでいると語った由。
彼はまた最近ISの使う自爆車も、以前のような装甲車ではなく普通の車で、ISは資源にも事欠いてきているが、依然危険な存在であるとした由。
有志連合は2014年以降、イラクとシリアで16600回の攻撃を行ったが、最の攻撃は以前よりもより有効になってきている由。
更に、有志連合は、空爆に際しての規則を非常に厳しくしたので、民間人の誤爆も減ったとして、両国で有志連合に責任のある民間人の死は173名であるとした由。
但し、これに対してNGO等は数字を過度に小さくしていると批判的で、民間人の死者は1900名に上るとしている由。
http://www.alquds.co.uk/?p=642365
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2016/12/08/مسؤول-مقتل-50-ألفاً-من-داعش-منذ-بدء-العمليات-الأميركية.html
IS要員50000人の有志連合による殺害との数字が正しいか否か判断する材料は持ち合わせていないが、その損失は、更にこれに合わせて、イラク陸空軍、シーア派民兵との戦闘、シリア政府、クルド勢力、トルコ軍と自由シリア軍との戦闘、更にはロシア空軍による損失が加わるわけで、彼らが非常に大きな損失をこうむったことは事実かと思います。
もしそうであれば、国防総省が言う通り、それは今後の彼らの活動能力にも影響するところ少なくないかと思われます。