12月ですね。年末ですね〜。流行語大賞やらM-1やら続々と年末の定番イベントが過ぎていく中、やっぱり自分の好きなジャンルで「今年のベスト」とか作りたくなりますよね。
私は本が好きなので、このブログでは、今年印象に残った本のベスト10、について発表してみたいと思います。
以前の読書のエントリで書いたのですが、ツイッターでは「20XX年の本約10冊」は、年末の定番タグになっていて、毎年そろそろこのくらいの時期から現れ始めます。
私はここ近年は、購入が80冊前後、読了が60冊前後、というペースで本を読んでいますが、その中でもちゃんと読み切った本の中から、面白かったり、自分のライフイベント的に印象に残った本を、毎年10冊選んでいます。
今年もさっそくその10冊を大発表...と思ったのですが、今年はせっかくブログをやっているので、2016年のベスト10冊、を発表する前に、過去2年分のダイジェストも記事にしてみたいと思います。
2014年の本ベスト10冊
川上弘美 「ニシノユキヒコの恋と冒険」
この年に映画化された川上弘美さんの小説です。さまざまな年代の女性を回遊していくプレイボーイ、ニシノユキヒコと10人の女性をめぐるストーリーです。
映画の方は、主人公を竹野内豊さん、女性達を尾野真千子さん、成海璃子さん、麻生久美子さん、本田翼さんなどが演じる、男性が見ても女性が見ても目の保養になる映画なんですが、原作も川上さんらしい味わい深さがあってよいです。
出口治明 「本の「使い方」」
この年の新書枠です。他人の読書術やお薦め本、というのは読んでみると意外と面白いのでよく買うのですが、一万冊という量を読みこなし、難解な古典もしっかり抑えられている読書のプロ、出口さんの読書本が面白くないわけがないです。
高橋寿一 「知識ゼロから学ぶソフトウェアテスト」
この年の技術書枠です。単体から結合までソフトウェアテストの基本的なやり方や、テストの善し悪しの評価の仕方が、教科書的に分かりやすく書かれているので、チームの若手がはじめてテストをするときには「まずこれを読め!」と毎回押しつけている本です。
柴那典 「初音ミクはなぜ世界を変えたのか?」
ロッキンオンで長く音楽ジャーナリストをされていた柴那典さんによる、ボーカロイド論です。ロッキンオン時代から一貫している柴さんの音楽への熱量と好奇心は、この本でも健在で、ボーカロイド曲をそれまで聴いたことがなかった私も「ちょっと聴いてみよう」と思わされました。
村田沙耶香 「殺人出産」
2016年「コンビニ人間」で、芥川賞を受賞されて話題になった、村田沙耶香さんの短編集です。こちらについては、過去にこんなエントリを書いたので、よろしければどうぞ。
窪美澄 「水やりはいつも深夜だけど」
小さな子どもを持つ夫婦を題材にした窪美澄さんの短編集です。当時、子どもが2,3歳のイヤイヤ期真っ盛りだったので、大変共感しながら読みました。
改めて読み返すと、ブログを書いてる主婦が主人公の話とか、初見とは違った話に目が留まったりして、ひさしぶりにじっくり読み返したくなりました。
島本理生 「Red」
島本理生さんが書いた小さな子どもを持つワーキングマザーと不倫がテーマのお話です。 好きな作家さんのうえに、島本さん自身がワーキングマザーであることもあって、やはり共感が多かったです。
倉貫義人 「「納品」をなくせばうまくいく」
この年、IT業界の同業者のなかでは大きな話題になった本です。従来どおりのソフトを作って納めて...という受託型の開発ではなく、月額固定でシステムを継続開発するモデルを採っている、ソニックガーデンという会社の仕組みについて書かれた本です。私がいる会社とやり方が違うところが多かったので、見方を変えるきっかけになりました。
大山卓也 「ナタリーってこうなってたのか」
音楽情報などを主に配信しているウェブメディア「ナタリー」を設立された方の話です。今年、ブロガーさんの間で文章術の本が話題になった、唐木元さんの対談なども納められています。
ウェブメディアについては、まさに今、キュレーションメディアの是非について大きく盛り上がっている最中です。そんな中「ナタリー」は、今でも取材に基づいたニュース配信を地道に続けているメディア(のはず)なので、こちらもこのタイミングで読み返すと面白いかもと思います。
中島京子 「小さいおうち」
この年、山田洋次監督によって映画化されて、黒木華さんが海外の映画賞で最優秀女優賞を受賞された映画の原作本です。
中島さんの本はこの小説がはじめてだったのですが、日本らしい風景や食べ物の描写が素晴らしいなって思いました。年の暮れとお正月どきに読んだのですが、小説も映画もそんな季節が似合う作品だと思いました。
えっ。まだ半分なの。2年分のダイジェストって言っちゃったことを少し後悔...。でもめげずに続けていきますよ〜。
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2015年の本ベスト10冊
松尾豊 「人工知能は人間を超えるか」
この年の新書枠、トレンド枠です。人工知能の技術が、なぜ近年急速に進化して、注目を集めるようになったのか、がそれまでの歴史を踏まえて、分かりやすく書かれているので、専門以外の方にもお薦めしやすい本です。
山崎ナオコーラ 「昼田とハッコウ」
2015年は、山崎ナオコーラさんのエッセイや小説を多く読んで、彼女の自分自身やパートナーへの価値観の持ち方、について大きな共感がありました。こちらについても、過去のエントリで書いてみたので、よろしければこちらも。
向井万起男 「君について行こう」
日本人女性初の宇宙飛行士、向井千秋さんの旦那さまが書かれたドキュメンタリーです。ヒット漫画「宇宙兄弟」で作者の小山さんが自身の作品の参考にされていることでも、知られている本です。
猪突猛進型で夢に向かってたくましく突き進む千秋さんと、妻が宇宙飛行士になっていく様子を面白おかしく観察する万起男さん。宇宙飛行士の内情の話も面白かったのですが、こんな夫婦っていいなぁ〜とほっこりした一冊です。
ケイシー・ウォール 「未来をつくる起業家」
シリコンバレーをはじめとしたベンチャー(スタートアップ)業界の内情を書いた本は、どれもエキサイティングであることが多いので、毎年よく買うのですが、この本はそんな業界でヘッドハンターを務める著者が、日本の企業家20人にフォーカスを当てた本です。
採り上げられている方は、Gunosyの木村氏やChatWorkの山本氏など、今をときめく起業家が並びますが、特筆すべきはやはりキュレーション問題で注目を浴びている、iemoの村田マリ氏が含まれていることでしょうか。こちらも今改めて読み返しても面白い一冊です。
山内マリコ 「かわいい結婚」
この年は、「地方ガール」小説家、山内マリコさんの本もたくさん読んだので、その中から一冊を挙げました。ちょうど「結婚ってなんだろな〜」と思い悩んでいた時期だったので、かわいい装丁と数々の短編に癒されました。
最果タヒ 「星か獣になる季節」
若い世代の方を中心に人気が高まっている詩人、最果タヒさんがはじめて小説として刊行された本です。独特の感性からなる表現やリズムは小説でも健在で、引き続き詩も小説も注目していきたい作家さんです。
家入一真 「我が逃走」
ネットサービス企業、paperboy&co.を創業された家入一真さんが、paperboy&co.を退社されてから、都知事選に出るあたりまでのくだりを自ら語られた本です。
paperboy&co.の上場で得た利益をカフェ運営やキャバクラでほとんど使い果たしたり、と笑えない話が、なぜか家入さんだと笑えてしまう、ご本人の人柄が色濃く出た抱腹絶倒の一冊です。
樋口毅宏 「日本のセックス」
この年は樋口毅宏さんの本もよく読んでいました。樋口さんは、コアマガジンというHな雑誌の編集者からキャリアをスタートされた方で、自称サブカルオタク。2016年に作家を引退(本当かな?)されてしまったのは少し残念ですね。
タイトルから敬遠してしまいそうなこの本は、前半のエログロ展開から後半うって変わって裁判サスペンスになるストーリー展開めちゃくちゃな本なんですが、スピード感ある展開で一気に読ませます。
樋口さんのお家芸の膨大なサブカルや音楽ネタの引用はこの本でも健在。この本ではサニーディサービスとGREAT3に特にフォーカスが当たっていますが、読み終えたらきっとGREAT3が聴きたくなるはず。
古市憲寿 「保育園義務教育化」
ピースボートの乗船体験記などが過去に話題を呼んだ、新進の若手社会学者、古市憲寿さんが少子化対策について持論を展開された本です。小さな子どもを持つ親として、さまざまな方面から少子化問題について考えるきっかけが得られてよかったです。
槙俊明 「はじめてのSpring Boot」
この年の技術書枠です。ここ最近、Webのシステムを作るときに、このような手っ取り早くシステムを動かす環境を作れる仕組みが流行っていたので、その流れで読んで、会社でも内容をチームに共有した本です。この本は、2016年に早くも改訂版が出ています。
はぁ...長くなってしまいました。全然ダイジェストになってなくて恐縮ですが、ここまでお付き合い頂いた方に、一冊でも興味の惹かれる本が入っていれば幸いです。ふだん私はだいたいこのような本を読んでいます。
でも改めて、直近2年で読んだ本を振り返ると、その後さらに飛躍された方や、違う意味で注目を集めた方、などそれぞれで、こうして振り返ってみるのも結構面白いな〜と思いました!
今年2016年のベスト10冊も、既に選考は終わっているので、この週末のうちになんとかエントリにしたいと思います〜。ではでは。