こはくの中から毛の生えた恐竜の尾の一部発見

ミャンマー北部で採掘されたこはくの中から毛の生えた恐竜の尾の一部が見つかったと、中国とカナダの研究者が科学誌に発表し、恐竜の姿や進化の過程を解明する重要な手がかりとして注目されます。
この研究結果は、中国とカナダの研究グループがアメリカの科学誌「カレント・バイオロジー」に発表しました。

木の樹脂が化石になったこはくは、中に太古の昆虫や動植物が原型のまま閉じ込められ、貴重な標本となることが知られていますが、研究グループによりますと、去年、ミャンマー北部のカチン州の宝石市場で取り引きされていたこはくの中から、およそ9900万年前の白亜紀中期のものと見られる長さ4センチ足らずの恐竜の尾の一部が見つかったということです。

発見された尾には骨や毛などがついていて、CTや顕微鏡で調べたところ、鳥類とは異なり、尾の中で小さな骨が連なっていたことから、恐竜のものだとわかったということです。

研究グループでは、毛で覆われ、二足歩行していた小型の獣脚類の恐竜、マニラプトルの仲間ではないかと見ています。

カナダ人の研究者は「毛や骨がついた尾が見つかったのは初めてで、非常に驚いた」と話しており、恐竜の姿や進化の過程を解明する重要な手がかりとして注目されます。

ミャンマー北部では、政府軍と少数民族の内戦の影響で学術調査が遅れていますが、今回の発見をきっかけに、こはくに残された標本の調査などが進むことが期待されています。