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【トランプ-蔡 電話会談】
衝撃受ける中国 キッシンジャー型対中政策の終焉か
【北京=藤本欣也】中国がトランプ氏と蔡氏の電話協議に衝撃を受けているのは間違いない。王毅外相は3日、「(電話を掛けた)台湾側の小細工にすぎない」と批判の矛先を台湾に向ける一方、「一つの中国の原則は中米関係の健全な発展の基礎だ」と述べ、トランプ氏にクギを刺すのも忘れなかった。
台湾問題は中国共産党大会を来年に控える習近平政権にとり、決して弱腰を見せられない核心的問題だ。
習氏は米大統領に当選したトランプ氏への祝電で、米中両国が「衝突や対抗をせず相互尊重する」ことを呼びかけ、トランプ氏との初の電話協議でも「協力こそが両国にとって唯一の正しい選択」と強調していた。今回の電話協議は習氏のメンツをつぶすものだ。
タイミングも悪かった。3日付の共産党機関紙、人民日報は1面に、習氏が笑顔でキッシンジャー元米国務長官と握手する写真を掲載。習氏は「(トランプ次期政権と)安定した発展を継続させたい」と表明し、11月17日にトランプ氏と会談したキッシンジャー氏も「米中関係の安定的な発展を米新政権も期待していると信じる」と語っていた。