大団円のハッピーエンドも良いですが、時々後味の悪い漫画も読みたくなります。
そんなときにオススメの漫画をあげてみました。
「後味が悪い」という選び方の性質上、漫画の紹介の際にネタバレを含みますので、ご注意ください。
また、一部に過激な暴行の描写・性的描写等がありますので、苦手な人は読むのを避けた方が良いと思います。
- 1 闇金ウシジマくん/真鍋昌平
- 2 金魚王国の崩壊/模造クリスタル
- 3 ブラッドハーレーの馬車/沙村広明
- 4 特攻天女/みさき速
- 5 空が灰色だから/阿部共実
- 6 四丁目の夕日/山野一
- 7 ミスミソウ/押切蓮介
- 9 少女椿/丸尾末広
- 10 人間仮免中/卯月妙子
- 11 失踪日記/吾妻ひでお
- 12 ぼくらの/鬼頭莫宏
- 13 東京闇虫/本田優貴
- 14 ギャングース/鈴木大介・肥谷圭介
- 15 東京タラレバ娘/東村アキコ
- 16 打ち切り・夢オチタイプ
1 闇金ウシジマくん/真鍋昌平
闇金業者のウシジマくん(丑島馨)のヤミ金業やその周辺の出来事が描かれる漫画。
風俗嬢、フリーター、モデル、タクシー運転手、サラリーマンなど色々な客が登場するが、大体は悲惨な目にあいます。
必ずしも、勧善懲悪的というわけでもなく、何も非がない人が悲惨な目にあったり、悪人が旨い汁を吸って終わったりということも…。
普通の生活を送っていた人が、ひょんなことから闇金に手を出してしまって転落していこところがとても怖いです。
また、頭のネジが外れたような面々が時々登場し、こんな人達に絡まれたらもうどうしようもないな、という意味でも怖いです。
さらに、貧困から抜け出す難しさなんかも感じられて、読んでいて暗くなるところがあります。
(順風満帆だったはずのギャル男も大変な目にあうことに…。闇金ウシジマくん第3巻)
2 金魚王国の崩壊/模造クリスタル
web漫画。
生き物を愛するあまり、肉が食べられなくなった少女が主人公。
有名なバッタのエピソードなど、読んでいてやるせなくなります。
3 ブラッドハーレーの馬車/沙村広明
近代の西洋が舞台。
各地の孤児院から集められた孤児で構成される、ブラッドハーレー聖公女歌劇団。
貴族ブラッドハーレー家の養女となって歌劇団に入ることは、全国の孤児の憧れだった。
しかし、その実態は…という話。
全体的に救いがなく、読んでいて非常につらいです。
全一巻ですが、中味は非常に濃いものになっています。
4 特攻天女/みさき速
ヤンキー(レディース)漫画。主人公は特攻隊長(中学2年生)。
後味が悪い・胸糞が悪い作品として時々挙げられることがあります。
登場人物が、
カップルを誘拐→強姦→彼氏の方に「彼女を助けたいなら自殺しろ」と言う、
ということを繰り返していたりすること、
重大な犯罪を悪事として描いてないと受け取る人がいること、
あたりがその要因と言えそうです。
5 空が灰色だから/阿部共実
1話完結のオムニバス形式。
キャッチコピーは、「“心がざわつく”思春期コミック」。
1年前の甲子園での挫折により、野球部の練習から離れていた野球部の元エース、涼。
涼の幼馴染の女の子、若葉は、涼のためを思って叱咤激励する。
その結果、見事、涼は立ち直り、甲子園出場に近づいていく。
ハッピーエンドと思いきや…
という第18話「信じてた」など、うまく物事がいかなかったり、主人公が報われなかったりする話が多く収録されています。
キャッチコピーどおり、まさに「心がざわつく」漫画です。
他にあげた漫画に比べると、描写は相対的に穏やかかもしれません。
同じ作者の「ちーちゃんはちょっと足りない」もなかなか読んでてツラい漫画です。
(そういえば、これも人名+ない型のタイトルでした。
「◯◯(人名)は××ない」式のタイトルの歴史 - 今にも崩れそうな本棚の下で)
6 四丁目の夕日/山野一
タイトルは「三丁目の夕日」のパロディですが、内容は、大違い。
主人公を不幸に次ぐ不幸が襲う内容です。
悲惨な目にあって追い詰められていく主人公を見ているのが非常につらい…。
7 ミスミソウ/押切蓮介
同級生達から、いじめというには酷すぎるいじめを受けた少女が行う復讐劇。
いじめ自体の内容も衝撃的ですし、その後の展開も凄惨です。
8 校舎のうらには天使が埋められている/小山鹿梨子
こちらもイジメ系。
可愛らしい絵柄やキャラクターと対照的に、イジメの内容はなかなかエグいです。
別冊フレンドに連載されていたというのが信じられないくらい。
続編の「校舎の天では悪魔が嗤っている」はweb漫画となっており、以下から一部を読むことができます。
(この絵からは信じられないイジメの描写です。校舎のうらには天使が埋められている第1巻)
9 少女椿/丸尾末広
エログロ系というんでしょうか。
2016年5月に実写映画化されました。
母親と二人暮らしをしていた12歳の少女みどり。
ある日、みどりが帰宅すると母親が亡くなっていた。
(この亡くなり方が、また体内からネズミに内臓を食い破られるという無惨なもの…。)
孤独になってしまったみどりは、見世物小屋の主人に騙されて、見世物小屋の下働きにさせられてしまう。
そして、みどりは、見世物小屋の芸人達に虐げられる毎日を送ることに…。
その後、色々あって、みどりは幸せを掴みそうになるが…という話。
絶望の中で一縷の希望が見えるが、それも潰える、という展開は、絶望一辺倒よりさらにつらいですね。
10 人間仮免中/卯月妙子
統合失調症を抱える作者の自伝的マンガ。
波乱万丈すぎる人生も凄いですし、統合失調症の症状の描写も恐ろしいです。
ノンフィクションは、フィクションとまた違った怖さがありますね。
2016年12月12日には、続編である「人間仮免中つづき」が出版されます。
11 失踪日記/吾妻ひでお
ノンフィクション系をもう1つ。
漫画家が嫌になった作者が、ホームレス生活をしたり、アル中になったり、精神病院に入ったりした経験を描くエッセイ漫画。
絵柄はほんわかしていますが、内容はなかなか悲惨・過酷です。
12 ぼくらの/鬼頭莫宏
巨大ロボットを操作して、主人公である子どもたち地球を守る為に戦う。
ここまではよくありそうな設定ですが、
・戦う相手はパラレルワールドに住む人間
・負けた側の宇宙は消滅する
・ジアースの動力はパイロットの生命力なので、勝ってもパイロットは死ぬ
という設定が秀逸で、見事に作品を暗いものにしています。
同じ作者の「なるたる」もかなりの憂鬱漫画です。
13 東京闇虫/本田優貴
借金まみれの主人公が、ある日、突然、拉致される。
目を覚ました後は、借金の返済と引き替えに違法な仕事をさせられて…というストーリー。
裏の世界や違法な仕事を描くという方向性としては、闇金ウシジマくんと似ているかもしれません。
「人生で最も選びたくないシナリオ」というキャッチコピーには同意せざるを得ないですね。
14 ギャングース/鈴木大介・肥谷圭介
少年院を経験した3人組が、犯罪者をターゲットにした「タタキ」(強盗・窃盗)をしていくストーリー。
そこまで暗い雰囲気はないですが、3人組の過去話や少年院出身者・貧困家庭あるある的な話には考えさせられます。
原案は、「家のない少年たち」というノンフィクションなので、フィクションながら事実としての重みが感じられます。
15 東京タラレバ娘/東村アキコ
大分他の漫画とは毛色が違いますが、読者の状況によっては、これが一番読んでいてダメージ を負うかも…?
主人公ら3人は、アラサー(33歳)の独身女性で親友同士。
「あのときこうしていタラ……こうしていレバ…」などと言っているうちに、独身のまま来てしまった3人は、果たして東京オリンピックを独り身で観ることを回避できるのか…的なストーリー。
思い当たるところがある人にはとことん憂鬱になる漫画かもしれません…。
2017年にはドラマ化します。
16 打ち切り・夢オチタイプ
突然の打ち切りで作者が不満を露わにしている作品や、長期連載したあげく夢オチの作品には、モヤモヤさせられます。
あまりにもネタバレが過ぎるので、タイトルをあげるのは避けておきます。
以上の15作品、あえてこういうタイプの作品を読みたいときには、ぜひ読んでみてください。
※なお、後味が悪い・モヤモヤする・憂鬱になる漫画、というとネガティブな印象もありますが、そういう感情を引き起こすことも良い意味での作品の力だと思っています。
この記事では、後味が悪い等の言葉を、決して作品を貶める意味で使っているわけではありません。
また、当然ですが、読後感などは個人差があり、後味の悪さなどはあくまで私個人が感じているものですので、その点ご了承ください。