IT企業大手「ディー・エヌ・エー」は、根拠が明解でないものや、無断で引用した記事があったとして、「まとめサイト」を公開中止にした。こうした中、過去にまとめ記事を書いたことがあるという人物が、取材に応じた。
淡々とした口調で取材に応じるのは、過去にまとめ記事を書いたことがあるという田中さん(仮名 34)。
田中さんは、「今まで書いたグルメ記事の中で、行ったことがあるのは、一軒もないです」と語った。
いわゆる「まとめサイト」をめぐっては、IT企業大手「ディー・エヌ・エー」が、根拠が明解でないものや、無断で引用した記事があったとして、7日、会見で釈明。
サイトを一切に公開中止にした。
ディー・エヌ・エーの守安社長は、「根拠が不明確で、誤った知識の提供につながりかねない、医療関連の情報を載せていたことについて、数多くのご批判をいただきました」と述べた。
いったい、どのように書かれているのか。
カメラの前で、田中さんが実際に書いてみせたのは、ダンベルに関する「まとめ記事」。
田中さんは、「こういう感じで、テンプレート(ひな形)が出ます。例えばタイトル、ここに写真ですね。こういうふうに見出しを入れる」と語った。
さらに、説明欄に、「ダイエットに最適なダンベル」、「さまざまな種類のダンベルをご紹介したい」と書いた田中さん。
しかし、田中さんは、「(ダンベルは普段使っている?)使ってません。(でも全部書ける?)はい。そうなんです、それがまとめサイトです」と語った。
知識がなくても、1本、3時間程度で書けるという。
そして、今回の記事の場合、報酬として900円が得られるという。
田中さんは、「(裏取りをしなくても、載せてしまえる?)載せられます。すごく簡単です。(簡単?)はい」。「(編集者からチェックは?)ないですね」などと語った。
ずさんな実態。
いったい、どのような人が、まとめ記事を書いているのか。
田中さんは、「小さいお子さんを抱えてらっしゃるお母さん方が、隙間時間、子どもが寝たあとに書かれる人も多いんです」と語った。
記事をうのみにしてしまうと、最悪の場合、人の生死にもかかわりかねない、まとめ記事。
田中さんは、「インターネットは、あまりにも信用し過ぎないようにしていただきたいかなっていうのは思います」と語った。