こんにちは、NAEです。
1日24時間。人に与えられた時間は誰にでも平等です。
だからこそ効率的に時間を使いたい。時間あたりの成果を最大化したいし、無駄な時間を過ごしたくないですよね。
そのために人は時間管理や時間術を身に着けようとするのですが・・・
実はぼくは、時間管理が下手くそでした。時間を管理する≒スケジュールを立てる、ということを具体的にイメージしにくく、しっくり理解できなかったんです。
そんなぼくが「あ、こういうことか」と気づいた言葉があります。
時間を、箱庭のようにデザインしよう
今回はそんなお話。
時間をデザインするとは
時間をデザインするとは時間の使い方を決めることを指します。仕事の言葉で言うなら「スケジュール作成」です。
ただ一言でスケジュールといっても目的や用途によって考える深さが異なるもの。
ここでは2つに分けて考えてみたいと思います。
複数人が関わるスケジュール
ひとつ目は、仕事やプロジェクトのように複数人が関わるタイプのスケジュールです。
代表例は横軸に時間をとってタスクを長方形で引いていくガントチャート方式、それをさらに作業項目に砕いたWBS(Work Breakdown Srructure)もよく使われます。
複数人の関わるスケジュールは、えてして「きちんと深く」考えるクセがつくもの。
というのも、自分だけでなく人の時間も巻き込むから。ミスが人に迷惑に直結するため
- 段取りに誤りはないか?
- タスクごとの時間配分は妥当か?
- 合流ポイントは明確か?
- 遅延した場合の影響は?
などをさまざまな側面を客観的に評価し、可視化し、伝え、確かさを検証するのが普通です。
つまりそれだけ頭を使うということ。
自分しか使わないスケジュール
一方、登場人物が自分だけのスケジュールではどうでしょう。
ToDoリストに代表されるタスク管理のほか、
- ToDo + When(締め切り、時間割等)
- ToDo + 優先順位
- ToDo + SIPOC(Supplier、Input、Process、Output、Consumer)
など、実にさまざまな方法がありますよね。いずれにせよきちんとこなすなら、頭をフル回転する必要があります。
にも関わらず、こと自分用の時間管理となるとつい手抜きしてしまいがち。自分のことであるがゆえに、
「自分の管理くらい頭ン中でできらあ!」
「タスク管理は間接業務。価値など生まぬ」
「面倒だからとりあえず手動かそう」
と、頭を使わない方向にどんどん流れていくんですよね。
人の目が入らないとか単なるなまけとか、理由はいろいろあると思います。
時間と自分の関係を具体的にイメージしづらかった
ぼくの場合、一番大きかったのがあとあと自分がどんな痛みは苦労に襲われるかをリアルにイメージできないという理由でした。
ぼくは生粋のなまけ者。自分の時間については意識して時間をデザインしないと
「これはあとでやってもいいっか」
となりがちでした。そのせいで苦労した回数は数え切れないほど。
自分が苦労する将来がイメージしづらいというか、とにかく自分の姿を時間軸に関連づけるのが下手クソでした。
その理由をひもといてみると、自分が右脳優位だからでは?に行き着きました。
きっかけは、「右脳・左脳×インプット・アウトプット」という考え方です。
インプット、アウトプットの右脳・左脳の判断方法
一昔前に「うさ脳」「うう脳」「さう脳」「ささ脳」という言葉が流行したのを覚えていますか?
インプット、アウトプットそれぞれで右脳と左脳どちらが優位に働いているかをあらわす言葉です。
例えば右脳インプット、左脳アウトプットであれば「うさ脳」、イン・アウトともに右脳であれば「うう脳」となります。
判断方法は実に簡単。
- インプット:手を組んだとき親指が下にくる方が優位
- アウトプット:腕組みをしたとき手が上にくる方が優位
下記サイトに図つきの解説があります。
そしてぼくは「うう脳」でした。インプット、アウトプットともに右脳優位。
コンサルという仕事をしている中でも右脳優位を如実に感じます。たとえばものごとを脳内でシンプルな図に落とさないと議論で迷子になってしまったり。
右脳と左脳の担当割や「うさうさ脳診断」自体はただのオカルトかもしれません。しかしぼくにとっては納得のいく裏付けだったんです。
右脳型人間にとって文字ベースの情報交換はハードモード
右脳優位の人にとって厄介なのが、情報交換の多くが文字を介して行われるということです。
メールでも電話でもまずは文字。仕事で作る資料も箇条書きですべて伝わればそれが一番。スケジュールもそう。いつまでになにが終わるか、文字で表現されていれば必要十分。
図に落とすより文字に落としたほうが手間がかかりませんし、文字だけで必要十分な情報が表現されていればわざわざ図なんて作らなくてもいいんです。
しかしぼくのようなイン・アウトとも右脳型の人には、文字だけコミュニケーションは若干ハードモードなんですよね。
文字で受け取った情報を頭の中で図に落としてから理解し、図的に処理してから文字でアウトプットする。するとどうしてもラグがかかってしまいます。
たとえばスケジュールやタスク管理であれば、「30分でこれをやる」となったとき、
「30分って何センチ?」
的な変換をしないと、時間を肌感覚で理解しにくかったり。逆もしかり。
同じ「考える」でも処理すべきことが余計に増える。それだけ「めんどくせ」となる確率も上がるわけでして・・・
「箱庭のように時間をデザインする」とは
そんなぼくが時間と自分の姿を紐づけられるきっかけになったのが
「時間を箱庭のようにデザインする」
という言葉です。
時間を空間として捉える
箱庭とは、その名の通り箱の中の庭のこと。
自分の持ち時間をひとつのスペースとして認識し、分割することで3Dの時間割を作るイメージです。庭のこっちは30分後、あっちは1時間後・・・というように。
これ、時間軸にタスクをはめ込んでいくタイプのToDoリストと構造は似ています。一本の時間軸で済むならそれにこしたことはありません。人によっては3Dで考えるなんて余計面倒に感じると思います。
しかしぼくにとってはそっちの方がより考えやすく、かつ時間をリアルにイメージできるんですよね。
将来の自分を各ステージに配役する
箱庭を空間に区切ったら、次はそこに将来の自分を配役していきます。「配役」と呼ぶのは自分を客観視するためです。
たとえば30分後の空間にいる自分は
- どこにいるか
- なにをしているか
- 何が終わっているか、終わっていないか
- どんな気分になっているか
- 心配事や懸念点はなにか
- (場合によっては)誰がどんな状態か
などをつぶさにイメージすることを通じて「役」を作り、配置していきます。
時間がたつと自分はその空間に移動していて、いつのまにかその「役」になっていることをイメージします。
「1時間後の自分は掃除も洗濯も洗い物も全部終わって、やり残しを心配せずに外に出かける準備ができている」
「今は帰宅直後で疲れてるけど、実は30分後の自分は自炊した夕飯を食べながらテレビを見て楽しんでいる」
というように。
ToDoやタスク管理と決定的に違うのが目指す状態を具体化している点です。
やること(How)は目指すもの(What)の手段です。ToDoやタスク管理は主にHowを扱いますが、空間に自分を配役する方法ではWhatに注目します。
そのため将来の自分に焦点があたりやすくなり、空間的な時間感覚とあいまって、
「あ、今すぐこれやらなきゃマズい」
がよりリアルに感じられるというわけです。
このアイデアと出会ったきっかけ
時間を空間的に捉えること、そして各ステージにおける自分の姿を具体化することで時間を自分の肌感覚をつなげること。
「時間を箱庭のようにデザインする」というアイデアと出会ったのはこちらの本がきっかけでした。
どうしてあなたは、単純なことを複雑に考えてしまうのか…。
モノ、金、人、自分自身をシンプルにすれば、ストレスがみるみる消えて、仕事も人生もとてもラク。人生をすっきり生きるための33の方法。
出版年は2003年。ミニマリストが流行する前、断捨離が流行った時代、よりさらに前のことです。
ぼくの「気楽に生きたい」という価値観を形作るきっかけにもなった本で、買ってから10年以上たった今でも自宅の本棚に置いてあります。
この本の一節あったのが「時間を箱庭のようにデザインする」という言葉です。
複雑になりがちな時間を箱庭としてシンプルに捉え、自分からすすんで形作っていくことで自主的な人生にしましょう、というのがもともとの趣旨。
ただものごとを右脳的に捉えるぼくにとって、この言葉は時間管理術のヒントに見えました。
捉え方を変えるとこんなにも見えないものが見えるようになるものかと。
この言葉以外にも、とても多くの気づきを与えてくれる良書です。
もう古本でしか手に入りませんが、そのぶん安く買えますし、一度読んでみてはいかがでしょうか。
「すべては「単純に!」でうまくいく」の古本は1円でAmazonに出品されています
まとめ:認識を変えると世界が変わる
というわけで、時間を箱庭としてデザインするというアイデアのご紹介でした。
ぼくのように時間と自分の関連を具体的にイメージしにくい人、右脳優位の人はぜひ、時間を空間と捉え直してみてください。
認識や捉え方を変えると世界は180度変わって見えるもの。見えにくかったものがくっきりを形をなし、振れられなかったものを肌で感じることができるかもしれません。