KeePassの使い方

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「KeePass Password Safe」 とは、オンラインサービスやオンラインショップなどのユーザー登録が必要なサービスの「ユーザー名・パスワード」を安全に保存できるパスワード管理ソフトです。

ユーザー登録しているサイトが多くなり、ユーザー名・パスワードが管理しきれなくて KeePass を初めて使う方が多いでしょう。

そこで、ここでは KeePass を初めて使う初心者向けに使い方を1から解説します。

KeePass のインストール方法と、日本語化の方法は別記事の「日本語版 KeePass のインストール方法」を参考にしてください。

KeePassの使い方 目次

1.ユーザー名・パスワードを登録する

KeePass をインストールしたら、使っているユーザ名・パスワードを登録していきましょう。

KeePassでは、パスワードデータベースを作って、そこに複数のユーザー名・パスワードを一括で保存します。

そのため、まずは以下の手順に沿って、パスワードデータベースを作り、続けてユーザー名・パスワードを登録しましょう。

1.KeePass を開くとこのような画面になります。
まずは、「新規ボタン」keepass使い方をクリックします。

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2.すると、パスワードデータベースの保存先を聞かれるので、Dropbox などのオンラインストレージ上に、「keepass データベース」という名前を付けて保存します。
保存先は「ドキュメント」などのローカル上でも問題ありませんが、複数台の PC で KeePass を使う場合は、Dropbox などのオンラインストレージ上に保存すると、どの端末からもユーザ名・パスワードを呼び起こせます。また、ファイル名もお好きなもので構いません。

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このパスワードデータベースは、これから登録するユーザー名・パスワードが全て保存されるファイルです。例えば PC が故障したり、誤って削除してしまうと、パスワードデータベースを参照できなくなるので、定期的にバックアップを取ることをおすすめします。

3.次の画面で、マスターパスワードを2か所入力します。

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このマスターパスワードは、「パスワードデータベースを開くためのパスワード」で、覚えておかなければならない唯一のパスワードになります。忘れてしまった時の救済措置は用意されていないので絶対に忘れないようにしてください。
こ れから登録する複数のユーザー名・パスワードは全てパスワードデータベース1箇所に保存されるので、それを開くためのマスターパスワードも共通です。つま り、どんなに複雑なユーザー名・パスワードをどんなにたくさん使っていても、覚えておくべきなのはマスターパスワードたった1つです。

マスターパスワードの下の「品質の評価」にパスワードの品質が出ます。これが緑になるくらい長ければ安全なパスワードです。安全かつ忘れないパスワードにしましょう。マスターパスワードにはスペースを含むことが出来ます。

※補足1: 「●●●ボタン」keepass使い方をクリックすると、一時的に入力したパスワードを表示できます。

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※補足2: KeePass はマスターパスワードの代わりに特定のファイルを使ってパスワードデータベースの暗号化を解除することもできます。
例えば、家族の写真などを使って登録したパスワードを参照できるようになります。
使用するには「マスターパスワード」のチェックを外して「キーファイル/提供元」に チェックを入れて、「閲覧」をクリックして任意のファイルを選択してください。
※キーファイルに設定したファイルを更新してしまうとパスワードの参 照ができないので注意してください。

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もしくは、新しくキーファイルを作成することもできます。
新しくキーファイルを作るには、「マスターパスワード」のチェックを外して「キーファイル/提供元」に チェックを入れて、「新規作成」をクリックして、

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適当な場所に「保存」します。

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表示された画面の左側の砂嵐のようなエリアでマウスを適当に動かして、下に表示されている「生成されたビット」がある程度貯まったら、「OK」をクリックします

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生成されたビット数が多いほどセキュリティ性の高いキーファイルになります。

また、マスターパスワードとキーファイルを組み合わせて使うこともできます。
組み合わせて使うには、双方のチェックボックスにチェックを入れてそれぞれの設定をしてください。

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4.マスターパスワードもしくは、キーファイルが設定出来たら、「OK」をクリックします。

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マスターパスワードとキーファイルは、あとから「ファイル」→「マスターキーを変更」でいつでも変更できます

5.データベースの設定画面が表示されますが、通常は設定しなくても利用できるので、「OK」で閉じます。

keepass使い方

この設定は、あとから「ファイル」→「データベースの設定」でいつでも変更できます。

6.すると、メイン画面の左側に

  • 一般
  • Windows
  • ネットワーク
  • インターネット
  • 電子メール
  • ホームバンキング

が追加されます。

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メイン画面は、

  • 左側 : グループ
  • 右側 : 各グループに登録したユーザー名・パスワードの一覧

の2ペイン構成になっています。

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7.では、さっそく、ユーザー名・パスワードを登録していきます。
まず、ユーザー名・パスワードをどのグループに登録するか決めてグループを選択し、右側のエリアで、右クリック→「エントリーの追加」をクリックします。
※または、グループを選択した後に、「エントリーの追加ボタン」keepass使い方を押してください。

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※補足: これらのグループは、編集したいグループを右クリックすると、「グループ名の編集」や「不要なグループの削除」、「新たなグループの追加」が自由に出来るので、適宜編集してください。

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8.すると「エントリーの追加」画面が表示されるので、以下を入力し、「OK」をクリックします。

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  • タイトル
    これから登録するユーザー名・パスワードがどのサービスのものか分かるようにタイトルを付けます。
    後述のパスワード自動入力を使う場合は、サイトの識別に使われるので、ブラウザのタブに表示されるサイト名を入力することをおすすめします。
  • ユーザ名
    ログイン時に必要なユーザー名や ID
  • パスワード
    ログイン時に必要なパスワード※1
  • もう 1 度
    パスワード欄に入力したパスワード
  • URL
    Web サービスの場合は、ログインページの URL
  • 備考
    登録データのメモがあれば入力します。
  • 有効期限
    通常は設定不要です。

※1:初期状態ではランダムな文字列が入力されています。これからユーザー登録をする場合は、ランダムな文字列のまま設定した方が、セキュリティ性が高くなりま す。「●●●ボタン」をクリックすると、一時的にパスワードを表示できます。
すでにユーザー登録しているパスワードを変更できない場合は、初期状態で入力されているランダムな文字列を削除して、ユーザー登録しているパスワードを入力し直してください。

※補足: サービスによっては、文字数や形式にルールがあるので、それに合った安全なパスワードを作成するには、「もう一度」の右にある「パスワードの生成ボタン」keepass使い方→「パスワード生成画面を開く」をクリックして、文字数や文字種を選択し、「OK」をクリックします。

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9.これでユーザ名・パスワードが登録されました。

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10.登録が完了したら、「保存」keepass使い方をクリックして、設定内容や登録内容を保存します。

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データを変更した際も、同じように保存してデータベースを上書き保存する必要があります。
データベースを閉じるときに毎回自動で保存されるようにするには、「ツール」→「オプション」→タブ「高度」→「データベースをロックまたは閉じる時に自動的に保存」にチェックを入れます。

2.登録したユーザ名・パスワードを使う

KeePass にユーザ名・パスワードを登録したら、さっそく実際に使ってみましょう。

方法1:コピー&ペースト

まず、一番基礎的なコピー&ペーストの方法をご紹介します。

1.まず、画面左側からグループを選択し、右側に表示されるユーザ名・パスワード一覧から使いたいものを選択します。

keepass使い方

2.そして、URL をダブルクリックすると、

keepass使い方

登録したログインページが開きます。

keepass使い方

3.次に、ユーザ名をダブルクリックすると、ユーザ名がクリップボードにコピーされるので、

keepass使い方

セキュリティの為に、12秒後に消去されます。

ログインしたいサービスのログインページで、ユーザ名欄に貼り付けします。

keepass使い方

4.同じように、パスワード上をダブルクリックしてコピーして、

keepass使い方

セキュリティの為に、12秒後に消去されます。

ログインページのパスワード欄に貼り付けして、ログインします。

keepass使い方

これでログインが完了です。

※補足1: ログイン操作をアイコンで行うことも出来ます。

右側に表示されるユーザ名・パスワード一覧から使いたいものを選択すると、以下のメニューが有効になります。

keepass使い方

  • keepass使い方ユーザー名をクリップボードにコピー
  • keepass使い方パスワードをクリップボードにコピー
  • keepass使い方URLを開く
  • keepass使い方URLをクリップボードにコピー
  • keepass使い方自動入力を実行

※補足2: ユーザ名・パスワードの消去までの時間は初期設定では12秒になっていますが、「ツール」→「オプション」→タブ「セキュリティ」→「クリップボードを自動的に消去する時間」で変更できます。

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方法2:自動入力

次に、ユーザ名・パスワードを自動入力する方法をご紹介します。

1.まず、画面左側からグループを選択し、右側に表示されるユーザ名・パスワード一覧から使いたいものを選択します。

keepass使い方

2.そして、URL をダブルクリックして、

keepass使い方

ログインページを開きます。

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3.次に、ユーザ名の入力欄にカーソルを合わせます。
※この時、必ず IME を英語入力にしておいてください。日本語入力のままだと、例えば「password」と入力すべきところを「ぱっすぉrd」と入力されてしまいログインできません。

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4.カーソルを合わせたら、対象の項目上で右クリックし、「自動入力の実行」を選択すると、

keepass使い方

自動でユーザ名・パスワードの入力&ログインが完了します。

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方法3:ホットキーによる全自動入力

この方法が一番便利でおすすめです。

驚くほど簡単なのですが、ログインしたいページのユーザ名入力欄にカーソルを合わせて、「Ctrl キー」+「Alt キー」+「A」を押すと、今表示しているログインページのタイトルから、KeePass 内の一致するユーザ名・パスワードが自動で選択され、入力&ログインが一発で完了します。
※この時、必ず IME を英語入力にしておいてください。日本語入力のままだと、例えば「password」と入力すべきところを「ぱっすぉrd」と入力されてしまいログインできません。

keepass使い方

 

この方法では、KeePass のウィンドウを表示する必要すらなく、KeePass を最小化していてもタスクトレイに格納していても使えます。

ただ、KeePass を終了して閉じているとこの機能は使えないので、「ツール」→「オプション」→タブ「インターフェース」で以下の項目にチェックを入れておくと、常に KeePass がタスクトレイに常駐するようになり、いつでも「Ctrl キー」+「Alt キー」+「A」の押下で自動ログインできます。

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また、「ツール」→「オプション」→タブ「統合」で「ウィンドウズ開始時に KeePass を実行」にチェックを入れておくと、PC起動時にも自動で立ち上がります。

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また、「KeePass に登録したタイトル」と、「ログインページのタイトル」が一致しないと自動で入力されません。
ブラウザのタブ上に表示される「ログインページのタイトル」をコピーして、KeePass の登録タイトルにしましょう。

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複数一致するタイトルがある場合は、以下のように候補が表示されるので、ログインしたい方を手動で選択すると自動で入力されます。

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サイトの作りでこの方法に対応していないサイトもあります。その場合は方法1:コピー&ペーストを使いましょう。

まとめ

これで、パスワードを忘れて再発行することもなくなりますね。

パスワードを覚えておく必要が無いので、覚えられないような長くて複雑なパスワードを設定できるので安全です。

これからは KeePass でユーザ名・パスワードを一元管理しましょう。

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