カレントアウェアネス・ポータルは、図書館界、図書館情報学に関する最新の情報をお知らせする、国立国会図書館のサイトです。

私立大学図書館協会、総務省の「マイナンバーカードを大学図書館等の利用カードとして活用することについて」を公開

2016年12月8日、私立大学図書館協会が、総務省の「マイナンバーカードを大学図書館等の利用カードとして活用することについて」を公開しました。

この資料は、地域貢献等におけるマイナンバーカードでの大学図書館等の利用についてのものです。

それによると、総務省は、マイナンバーカードの利便性向上のため、マイキープラットフォームを活用した図書館カードとしての機能の推進を検討しています。この機能は、マイナンバーカードのICチップ内の電子証明書や空き領域などのマイキー部分を活用するもので、マイナンバーは使用せず、またマイナンバーカードやマイキープラットフォームには、図書の貸出し履歴等の情報は保有できないとのことです。

このマイキープラットフォームとは、図書館等の公共施設の利用者カードや自治体のポイントカードなど、さまざまなカードに関するサービスについて、マイナンバーカード1枚でサービスを利用可能とするシステムであり、現在そのシステム構築が進められています。図書館については、公立図書館に限らず、大学図書館でもサービス提供が可能とのことです。

マイキープラットフォームには、マイキーIDとサービスIDが格納されます。マイキーIDは、利用者が任意に作成するIDで、サービスIDは、図書館では利用者のIDと図書館のIDがこれに相当します。

具体的には、マイキーIDを作成した利用者がマイナンバーカードをカードリーダーにかざすと、マイキーIDが読み取られます。そのマイキーIDで管理テーブルに問い合わせをし、マイキーIDに対応するサービスID(図書館のIDや利用者の図書館利用カード番号)からその図書館の利用カード番号が呼び出されます。その番号を使い、既存の図書館利用者管理システム上で従来どおりの手続きを行ないます。管理テーブルには、複数の図書館を登録できるようです。

マイキープラットフォームの事業スケジュールも示されており、2017年8月ごろから実証事業が展開されるようです。

総務省「マイナンバーカードを大学図書館等の利用カードとして活用することについて」(私立大学図書館協会, 2016/12/8)
http://www.jaspul.org/news/2016/12/post-49.html

マイナンバーカードを大学図書館等の利用カードとして活用することについて(PDF: 10ページ)
http://www.jaspul.org/news/asset/docs/mynumbercard_20161207.pdf

関連:
個人番号カード・公的個人認証サービス等の利活用推進の在り方に関する懇談会(第5回)配付資料(総務省)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/mynumber-card/02tsushin01_04000419.html

マイキープラットフォームによる地域活性化方策検討会(第1回)配付資料(総務省)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/mynumber-card/02tsushin01_03000377.html

参考:
姫路市、マイナンバーカードによる本の貸出サービスを開始
Posted 2016年11月15日
http://current.ndl.go.jp/node/32935