中国の1年間の貿易総額 2年連続で前年割れか

中国の1年間の貿易総額 2年連続で前年割れか
中国の先月の貿易統計は、輸出額と輸入額が2年1か月ぶりにそろって前の年の同じ月を上回ったものの、ことし1年間の貿易総額は2年連続で前年割れする公算が高まっていて、中国経済の内需と外需の先行きは依然、不透明です。
中国の税関当局が発表した貿易統計によりますと、先月の輸出額は1968億600万ドルで、欧米向けを中心に石炭や玩具の輸出が伸びたことなどから、前の年の同じ月を0.1%上回り8か月ぶりにプラスに転じました。

また、輸入額は1521億9600万ドルで、自動車関連の取り引きが活発だったことなどから6.7%増加し、3か月ぶりにプラスとなりました。輸出額と輸入額がそろって増加したのは2年1か月ぶりのことです。

この結果、輸出額と輸入額を合わせた先月の貿易総額は3490億200万ドルとなり、2.9%増加しました。

ただ、1月から先月までの累計は前の年の同じ時期を6.9%下回っていることから、ことし1年間の貿易総額が2年連続で前年割れする公算が高まっており、内需と外需の先行きは依然、不透明です。

中国経済の専門家は「アメリカ大統領選挙後の人民元安傾向によって、輸出が増える効果も期待されるが、世界経済の回復はなお鈍く、外需が大きく改善することは考えにくい。中国政府は当面、インフラ投資などの景気下支え策を強めると見られ、これらが貿易に与える影響を注視している」と話しています。