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感染確定ならペンギン、フラミンゴは? 処分、名古屋市が判断

 環境省によると、近年、動物園内で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたのは富山県高岡市と秋田市の二例。東山動植物園は確定検査の結果を待っている段階だが、確定すれば、名古屋市が国や県と協議の上、他の鳥類の殺処分などの判断を迫られる。

 簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出た同園のコクチョウの検体は七日未明、鳥取大に送られ、検査には一週間ほど要するという。

 愛知県によると、食肉や羽毛目的で飼育している「家禽(かきん)」が感染した場合は、家畜伝染病予防法に基づき、同じ農場などの個体を殺処分する。しかし今回のコクチョウは家禽に該当せず、確定検査で陽性だった場合でも「園内の鳥類は家禽も含めて殺処分の対象にはならない」という。

 一方、今年十一月にコクチョウとシロフクロウが死んで感染が判明した秋田市の大森山動物園は、天然記念物の比内鶏など計百三十三羽を殺処分した。コクチョウとシロフクロウは家禽ではなく、殺処分の義務はなかったが、野鳥などを媒介して園外に広がることを懸念。同園参事の佐藤佐十志さんは「地元の養鶏関係者の不安を払拭(ふっしょく)するため苦渋の決断をした」と語る。

 東山動植物園にはペンギンやフラミンゴなどのほか、アオキコンゴウインコやシジュウカラガンなど十四種類四十七羽の絶滅危惧種や特別天然記念物もいる。

 環境省は指針で、動物園で発生した感染鳥の取り扱いを「殺処分が原則。ただし、希少種などの理由から治療を試みる場合は、事前に完全隔離の体制や治療計画を整え、万全の注意を払って治療する」と提示。日本動物園水族館協会の成島悦雄専務理事は「養鶏場などでは殺処分の基準があるが、動物園の場合は明確でない。最終的に名古屋市が判断せざるをえない」と指摘している。

 

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