アイテム番号: SCP-970-JP
オブジェクトクラス: Keter
SCP-970-JPが確認された画像の抜粋。
特別収容プロトコル: SCP-970-JPはサイト-8107の人型オブジェクト収容区画に位置するA-1563収容室にて管理されます。対象には通常の人間と同様の食事を与え、必要最低限の物資提供が許可されています。SCP-970-JPの要求は財団倫理委員会と担当研究員等によって吟味され、提供もしくは拒否されます。20██年現在、SCP-970-JPはサイト-8107から消失しており、エージェント・ポルタニアンを活動主任とした機動部隊え-111〈”ダンスの時間だ”〉によって捜索が続けられています。SCP-970-JPの出現を確認するため、全世界の医療機関等には新生児の遺伝情報と財団が保有しているSCP-970-JPの遺伝情報との照合が義務付けられています。対象を発見した場合は対象を速やかに回収、収容してください。SCP-970-JPが出生してから後の12年間は、各国の要注意団体や財団保有のオブジェクトの警戒を厳重にしプロトコル970-JPに則り政府関係者や反政府支持者、テロリストなどの警戒を厳重にするよう各国政府に伝達してください。
説明: SCP-970-JPは日本人男性の姿をした実体です。対象の最終的な特徴は年齢12歳、身長137cmの状態のみが確認されており、それ以降の状態は対象の特性上観測出来ていません。
対象の遺伝情報は通常の日本人男性に多い遺伝グループに属しており、それらに異常性は認められません。しかし、SCP-970-JPはその特性上、人類が保有している文明の改変を予言もしくはそれに起因する可能性があり、これらの異常性を完全に収容する試みは成功していません。その為、財団はこれらを考慮したうえで対象のオブジェクトクラスをKeterへと再分類し、通常人型オブジェクトとは区別して対応しています。
SCP-970-JPは、人類史上に置いて発生した大事件や歴史的に重要であるとされる変革の発生した時代の場所に出現し、その殆どの記録に映り込む、もしくは供述されます。しかし、これらの現象は突発的なSCP-970-JPの出現によって発生する物ではなく、対象の出生から年齢12歳までの成長という過程が存在したうえで発生しており、その為、SCP-970-JPが出現した全ての時代や国家にはSCP-970-JPの出生記録や国籍、死亡記録等が存在しています。対象の出現が複数同時に発生したケースは確認されていません。また、SCP-970-JPは自身が出現した時代や事変発生時の現場の状況等を全て記憶しており、取り分け事変が発生した際の死傷者に関する個別の情報を正確に記憶しています。これらの記憶は対象が死亡して再び出現した後も保有され続けます。
SCP-970-JPはその特性上、12歳に成長した段階で死亡します。これにより、対象は事変や事件発生の12年前に誕生し、その後の事変および事件発生時の現場に登場し死亡するというサイクルの中で存在していることが判明しています。よって、対象の記録の多くは事変発生時の写真や死亡者の名簿などに多く見られます。なお、SCP-970-JPは自身の特異性を十分に理解しており、多少の精神的疲労は見られますが健康な状態を維持しています。また、エージェント・ポルタニアンによるインタビューにおいて対象は、対象の周囲で発生する事変に関する一切の関与を否定、それらを予言している訳ではないとも主張しています。
SCP-970-JPが関与している記録はおよそ[編集済]年に相当し、それらの記録媒体には写真、文章、絵画など大半の記録媒体に存在します。これらの記録においてのSCP-970-JPの名前や身分などの差異は見られますが、容姿等の変化は一切確認できません。現在、財団はサイト-8107に専門の調査班と研究班を設置し、SCP-970-JPの出現とこれらの事変や事件発生との因果関係について調査を進めています。
なお、発生する事件や事変等の規模には一貫性がないと思われ、それらには人類史における文明の存続に関わる事変も含まれると予想されます。その為、その脅威性の高さから対象を最重要オブジェクトとして監視し続けることが決定しています。
補遺: SCP-970-JPは、2000/11/24 国立図書館の職員として潜入していたエージェント・ポルタニアンによって発見されました。当時、エージェント・ポルタニアンは潜入場所の職員としての職務に従事しており、過去の新聞記録の整理を行っていました。その際、エージェント・ポルタニアンはSCP-970-JPが写り込んでいる写真が掲載されている新聞記事を複数発見。それらの事変が記録された年号の差やそれに準じているはずのSCP-970-JPの年齢変化の無さなどからエージェント・ポルタニアンは財団に報告しました。これにより、SCP-970-JPの存在が発覚。その後、SCP-970-JPが確認された記録について各地で調査を行った結果、これらの記事以外でもSCP-970-JPと思われる人物の情報や記録が発見されました。なお、SCP-970-JPの死亡事案には少なくとも██件に及ぶ過去未収容だったオブジェクトによる事案も含まれており、他のオブジェクトとの関係性についても調査が行われています。
その後、財団はSCP-970-JPに関する情報収集を行っている過程で、SCP-970-JPと同様の見た目をした人物が██県 ██市の███小学校に在学中であるという情報を入手。エージェントポルタニアンを含む三名のエージェントが現地へ赴き、小学校を対象にした健康診断に偽装することで対象の血液を採取しました。血液中から採取された遺伝情報を照合した結果、過去に死亡が確認されていたSCP-970-JPの遺伝情報と完全に一致。これにより、財団は当時9歳のSCP-970-JPの収容に着手、対象の収容が完了しました。なお、当時SCP-970-JPが在学中だった学校関係者やSCP-970-JPの親族等にはBクラスの記憶処理を適用し、存在したSCP-970-JPの日本国籍や個人情報等は完全に抹消されています。
以下は、SCP-970-JPに行ったインタビュー記録です。
このインタビューの後、SCP-970-JPは一切の発言を拒絶し、インタビューへの参加も拒否するようになりました。
また、これらSCP-970-JPの発言から、SCP-970-JP以外の特殊な存在が示唆されました。その為、財団はSCP-970-JPへの調査部を配置、5名のエージェントによる捜査が行われました。
追記1: 2013/5/6 サイト-8107においてSCP-970-JPは消失しました。このSCP-970-JPの消失は、対象の頭部が突如破裂するという事案により発生しました。
当時、サイト-8107ではSCP-970-JPが満12歳になる当日であり、機動部隊、セキュリティー担当者による事変発生に対する警戒が行われていました。しかし、定刻に達したにも関わらず事変発生は確認できず、突如収容室内でのSCP-970-JPの頭部破裂による死亡という現象が発生しました。
これによりSCP-970-JPの収容は不安定な状態へと移行し、財団上層部はこの現象も事変発生による対象の消失だと決定。その為、収容プロトコルは改正され、SCP-970-JPの捜索を中心としたものへと置き換えられました。財団はこれらをプロトコル970-JPと制定し、以降SCP-970-JPが発見され次第、これが行使されます。
また、SCP-970-JPの消失後に収容室内部を捜査した結果、SCP-970-JPによって書いたと思われる、ノートの1ページを使った文章が発見されました。
以下はその文章の内容です。
追記2: 2016/1/6現在、SCP-970-JPの出現は確認されていません。