ゴルファーの服装の乱れもひどい。
男女とも、上はえり付きのポロシャツを基本としたもの、下は男性はズボン、女性はスカートかズボン。上着はズボンやスカートの中に入れるのが基本で、コースによっては「ドレスコード」として設けている。
だが、名門といわれるコースでもない限り、ほとんど守られていないのが現実である。リゾートコースと称されるところでは、Tシャツ、ジーパン姿の人さえいる。もちろん、Tシャツはジーパンの外に出ている。
ゴルフをプレーしているという意識はなく、街中で遊んでいるのと同じ感覚なのだろう。
■プロゴルファーの服装の乱れも一因
これらの原因の一つに、プロゴルファーの服装の乱れがある。特に、日本の女子プロゴルファーはひどい。シャツをスカートやズボンの中に入れている人はほとんどいない。中にはTシャツとしか思えないようなものを平気で着ているプロもいる。つまりそれらを作っているメーカーがあり、協会も許可しているということだ。
これも昔に教わったことだが、きちんとした服装をしなければならないのは、ゴルフ場とはいえ、そこは他人の土地(コース)であり、家(クラブハウス)である。訪問するなら、それ相応の格好をするのは当たり前――というのがその理由だったと記憶する。
何十年か前に、英国人が口にしたとされる次のような言葉を、ある本の中で見た。
「ゴルフは米国に渡って悪くなった。そして、日本に渡って最悪になった」
いくらゴルフ発祥の地であっても、それはちょっと言い過ぎではないか、あるいは英国人が大好きな皮肉まじりの言葉だろうと思っていた。
しかし、昨今の日本のゴルフを見ていると、英国人の言ったことは間違いではなく、確実にその方向に向かっているような気がしてならない。
日本ゴルフ協会、日本プロゴルフ協会、日本女子プロゴルフ協会、日本ゴルフツアー機構をはじめ、「日本ゴルフサミット会議」に所属する17団体あげて、単に「マナー、エチケットを守りましょう」というだけではなく、もっと具体的に、何が悪くて何がいいのかをはっきりと示し、ゴルフ本来の姿に戻すべく立ち上がってほしい。