移住する前に挨拶しておきたい方を訪問しに、Tabioさんのオフィスにおじゃました。
2000年に入社したサイバーエージェント。
新卒だった私が「この人はすごい」と恐れ多くもベンチマークしていた先輩が2名いる。
『美濃部さん』(当時31歳)がそのひとりだった。
自身がデキる人であった分、ゴールへの執念や求める仕事レベルが高くて
時に周囲に戦死者を出しながらも、部隊を勝利へと導くような執行者であった。
サイバーエージェントの役員を経て、テイクアンドギヴ・ニーズの役員、
今現在はTabioの執行役員をされている。
電通出身であった美濃部さんは、マーケティングやブランディングを得意として、
激烈なマネジメントを行うひとであった。
当時新卒22歳のわたくし。別部署であったため、美濃部さんの企画書が見たさに、
深夜になると「書類整理を手伝いたい」と買って出て、忙しい彼のデスク周りを
チマチマとうろついていた。
強烈なマネジメントで恐れられていたため、
「マリ、よく自分から近づくね」
と周囲に言われることはあったが、仕事ができるようになりたいという熱意が勝ち、
自分から話しかけていくのに、2時間後には半泣きで帰るというようなことを繰り返した。
美濃部さんは、そんな新卒にも悪態をつきながらもスタバのコーヒーをくれたり、
さりげなく提案書をコピーし解説して渡してくれたりして、それなりに可愛がってもらった。
12年も前のことながら、この時習ったストーリー立てビジュアルを多用しながら
結論へ落とし込んでいくプレゼン手法は、今でも私の企画書の常套手段である。
そんな彼が新規事業をまかされることになった。
「ムラマリ、一緒にやるか?」
と声をかけてもらったのだが、鬼のマネジメントで鳴らした彼とのスタートアップに
動揺し、自分でも大丈夫なのか、失敗しないかどうかなど、あたふたと質問を繰り返した。
「おまえなあ!スタートアップでこれから作る事業に大丈夫か、だと!
自分で成功に導くようにやるしかねーんだよ!」
雷が落ち、憧れの美濃部さんは『頼りない』とそのプロジェクトにもう誘ってもらえなかった。
これは結構強烈な原体験になった。いまなら、新規事業を始めるときにダメかもしれないなんて
最初から思うなんて、確かにナンセンスだ。
(書きながら、当時の青くて甘い自分思い出した。あーなつかし。青くさくてださい・・・)
そんな彼は、T&Gで入社当時3店舗で売上10億超だったのを、数百億まで社長代理として携わり、
靴下専門店tabioでブランディングを担当して、カンヌで賞を取ったりしてて、今もかっこいい。
http://www.tabio.com/jp/event/cannes_lions/
久しぶりに美濃部さんに会うと、ずいぶんと優しい顔になっていた。
もう社内で怒ってないんですか、と笑ったら、もうマネジメントは怒るとかそういうんじゃないそうだ。
その温和さに長い時間の流れを感じた。