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ディランさんの世界観に触れる 金大図書館で企画展

ボブ・ディランさんにまつわる書籍を手に取る学生=金沢市角間町で

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 今年のノーベル文学賞の受賞が決まった米国のシンガー・ソングライターのボブ・ディランさんに関する書籍の展示「ボブ・ディランを読む」が、金沢市角間町の金沢大中央図書館で開かれている。元国際ポピュラー音楽学会長の三井徹同大名誉教授が寄贈した洋書がメイン。同館によると、ディランさんにまつわる洋書の蔵書数は全国の図書館でも有数だ。二十一日まで。

 三井名誉教授は所蔵していた洋書七十六冊を寄贈。図書館の蔵書の和書など十四冊と合わせた九十冊を展示している。ディラン研究の代表作である「ソング・アンド・ダンスマン」もあり、ディランさんの世界観に触れることができる好機となっている。

 一九七一年に発刊されたディランさんの初めての著作「タランチュラ」は、注目を浴びる一冊。三井さんが、洋書の書評を連載していた雑誌「ミュージック・マガジン」でこの本について書いた考察も掲げられている。

 作品が、英文のピリオドを省略したり、文頭に大文字を使用しなかったりと、文法を無視した表現方法を取っている点を指摘。「聴き取りにくい歌を聴いているような、いくぶん(大正末から昭和後期にかけて活躍した小説家)稲垣足穂(たるほ)の『一千一秒物語』を読んでいるような前衛的散文、ないしは散文体の現代詩」と文学的な考証をしている。

 六〇年代のインタビューなどを基にディランさんの発言をまとめた「ボブ・ディラン語録」や、六六年の「ブロンド・オン・ブロンド」から七五年の「欲望」までの十年間に発表した曲の楽譜を集めた作品集もそろう。

 ディランさんは、十日にスウェーデンのストックホルムであるノーベル文学賞の授賞式に欠席し、スピーチが代読される。企画展を担当した金沢大情報部中央図書館係の中本悦子さんは「英語の本が多いので、読むことは難しいかもしれないが、文学賞に触れるきっかけになれば」と話している。

 展示した本は、学外の人も利用可能。北陸三県に在住または石川県内に通勤、通学している人で、自動車運転免許証などの証明書が必要。問い合わせは、同館=電076(264)5210=へ。 (蓮野亜耶)

 

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