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農家ら「殺処分、二度と見たくない」 東山動植物園で鳥インフル

双眼鏡で野鳥の監視を行う県職員=名古屋市中区の名古屋城外堀で

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 東山動植物園(名古屋市千種区)のコクチョウから、簡易検査で鳥インフルエンザウイルスが検出された。より精密な検査の結果は一週間ほどで判明する見込みだが、確定すれば、県内では、それぞれウズラ百六十万羽、名古屋コーチンなど十六万羽を殺処分した二〇〇九年、一一年以来となる。今冬は青森、新潟の両県で食用アヒルから「H5N6型」ウイルスが検出され、計五十七万羽が処分された。

 県養鶏協会(豊橋市)は七日、加盟する養鶏場九十戸に、消毒用消石灰各二百キロの無償配布を始めた。

 鶏舎の周りや通路にまき、予防する。農協などが協力した。

 〇九年は二〜三月に、一一年は一月に鳥インフルの感染が判明した。斎藤利明代表理事は「早めの対策が必要と思ってきたが、こんなに早く検出されてびっくり」と話す。協会は五日、消毒用消石灰の無償配布を求める要望書を県に提出している。

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 「どこで検出されるか分からない。うちから感染した鳥が出ないよう、予防をしっかりしたい」と語るのは、河瀬養鶏(小牧市)の河瀬秀哉代表。採卵用に鶏二万羽を飼育する。

 新潟で十一月下旬に感染が確認された後、道路や鶏舎の周りに消石灰をまいた。鶏舎には、ウイルスを運んで来る可能性が指摘されている野鳥が入り込まないよう、ふだんから張っている防鳥ネットに加え、カーテンを閉めて二重の対策を取った。鶏舎の出入り口では、靴の消毒を徹底している。

 養鶏場やウズラ農家で感染が判明した場合、家畜伝染病予防法で殺処分が義務付けられる。県養鶏協会事務局の内田清政さんは「農家が手塩にかけた鶏が白い袋に入れられ、埋められる姿は二度と見たくない」と話す。

 県は七日、渡り鳥が飛来する野鳥の生息地のパトロールを始めた。生息地は名古屋城の堀、茶屋ケ坂池、猫が洞池、牧野ケ池(いずれも名古屋市)と濁池(尾張旭市)、勅使池(豊明市)の六カ所。職員が随時訪れ、衰弱や死亡した個体がいないか監視する。

 (竹田佳彦)

 <鳥インフルエンザの県内発生例> 2009年2月末、豊橋市内で飼育されているウズラから「H7型」などの感染が確認され、7戸で計160万羽を殺処分した。11年1月は豊橋市の養鶏場で「H5型」に感染した鶏が見つかり、14万羽を処分。翌2月にも新城市の養鶏場の鶏が「H5型」に感染し、1万7000羽を殺処分した。

 

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