カモノハシ、餌探しで電気感覚鋭くなり歯失う 進化を解明

2016/11/28 0:46
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 カモノハシは餌を探すための電気感覚が鋭くなり、歯を失った――。三重大の浅原正和特任講師を中心とするグループは27日までに、こうした研究成果を米科学誌電子版に発表した。くちばしで獲物の体に流れる電流を感じ、それを脳に伝える神経が歯の生える空間を奪う形で発達したとみられるという。

 オーストラリアに生息するカモノハシは卵を産む哺乳類として知られる。陸上では目を使うが、水中ではつむり、下向きのくちばしで川底の餌をあさる。生き物が筋肉を動かす際などに体に流れる微弱な電流を感じ、位置を探る。

 グループはカモノハシと1300万年前に生息した祖先オブドゥロドンの骨格を比較。オブドゥロドンのくちばしは上向きで歯があり、目を使って水中で獲物を捕まえていた可能性が高いことが分かった。一方、カモノハシはコンピューター断層撮影装置(CT)の結果、電気を感じる三叉(さんさ)神経の発達に伴い、歯の生える空間を失っていったとみられるという。〔共同〕

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