5年以上前に変動金利で借りたなら固定に借り換えて得できます
どうも千日です。私が変動金利で住宅ローンを借りたのは今からさかのぼること8年前の2008年11月でした。金利は0.975%で当初借入は3,200万円です。
巷では、残期間が10年以上、金利で1%以上安くならないと借換えしても損だという説が誠しやかに言われてますね。
だったら千日の金利は1%を下回ってますから今から借換えなんてあり得ないんでしょうか?
そんなことはありません。
5年以上前に変動金利で借りた人が今、固定に借り換えるのは十分に合理的な意思決定です。
では始めますね。
目次
金利変動リスクを負う代わりに3百万円以上得している
2008年11月当時のフラット35の金利は2.89%でした。当時としては、長期的には金利が上がるものだという金融市場だった訳です。
当時金利変動リスクを回避したいと思ったらその金利で借りなければならなかったんです。
結果、私は変動金利0.975%を選択しました。
では今までの8年間(性格には8年と1カ月ですが、単純化するために8年とします)でどれだけの差があったかシミュレーションしてみましょう。
- フラット35 月返済12万1千円 8年で1,161万6千円
- 変動金利 月返済9万円 8年で864万円
両者の差は297万6千円です。私が当時、金利が上昇すると判断していたらこのお金はすべて銀行のものになっていたわけです。
結果論ですが、いつ上がるとも知れない変動金利はピクリとも上がらす、むしろ少し下り今日という日を迎えられましたので、私は約300万円を得しているんですね。
2016年12月現在のフラット35の適用金利は以下のようになっています。
- 借入期間15年~20年 1.03%
- 借入期間21年~35年 1.10%
今の変動金利と大して変わらない水準ですよね。
つまり、借換費用を払えば、ほぼ今と変わらない月々の元利均等返済で返済期間も同じで金利変動リスクをゼロにすることが出来るというわけです。
借換コストを多めに見積もっても200万のお釣りが来る計算です
いわゆる勝ち抜けってことです。
このまま変動金利が上がらなければ、更に勝ちの額は累積していきますが、そこから抜けて確定させる意味があるんですよ。
誰でもこのシミュレーションができるように2008年~2012年までのフラット35の金利の表を付けておきますね。
また、変動金利からフラット35への借換コストの目安についてはこちらをどうぞ。
また今後気になるのが、変動金利の動向ですよね。
今後、金利が上がったらどうする?
トランプ氏が大統領選挙で当選してから1カ月です。その大統領として不適格ともとれる選挙中の言動から当選するなんて誰も思ってませんでした。
その翌日は大きく下げた株価と長期金利は同じ日に急騰し、まるでジェットコースターのような動きを見せましたね。
その後も米国の長期金利の上昇はしばらく続きましたが、今は落ち着いてきました。
落ち着いてきたとは言え、日本の長期金利も影響を受け、11月から12月にかけてフラット35の金利は0.07~0.1ポイント上昇しています。
今のところ動きの無い短期の変動金利もそのうち…
上がるんじゃないの?
そんな不安が今変動金利で住宅ローンを借りている人の中には少なからずあるんですよ。
では、どうしたらいいのか?
まずは金利が何%上がったら、どうなるのか?というのを量の側面から確認しておきましょう。
変動金利の5年ルールと125%ルールで返済はどうなるか?
変動金利では金利が上がらない期間が長かったですから、もう上がらないような気になってたんですが。
変動させてもいいのが変動金利なんです。上がることはあるんです。
しかし、上がった時のことをちゃんと計算できる人は少ないです。
なぜか?
変動金利には5年ルールと125%ルールがあるからです。
金利が上がっても5年間は元利均等返済額は上がらず、一度に上がる上限は125%までというルールですね。
これはあくまで返済額=量の側面で『固定』させて利用者が破たんしてしまわないように保護する制度なんですが、金利が上がって返済が固定だと返済期間が自動的に延びます。
猶予はしてもらえますけど、最終的には上がった利息と元本を全額返済しないと住宅ローンは終わりません。
表計算ソフトのエクセルではどんな関数になるか分かりませんし、銀行のサイトのシミュレーションでもそういう計算はしてくれないんですよね。
いくら繰上げ返済すれば今の返済額と返済期間のままで完済できるか?
- 金利が上がったら繰り上げ返済する。
- 繰上げ返済のための貯蓄をしておく。
これが変動金利のセオリーです。
金利が安い分だけリスクを負うので、リスクに対応するための準備を利用者が各々しなければならないんですね。
従って
- いくら繰上げ返済すれば当初の元利均等返済のまま当初の残期間で払い切れるか?
という前提で金利の上昇を測るようにするんです。
これが実践的、かつ、現実的な考え方です。
8年経過した私の例でやってみましょう。
借入残高は2,561万円で、残りの期間は27年(324カ月)ですね。金利は0.975%で今の元利均等返済額(ボーナス払いなし)は月9万円です。
例えば1.3%で同じ27年で月9万円を維持したいと思えば、借入残高は2,461万円です。
ということは、2,561万円ー2,461万円=100万円を繰上げ返済しなければならないということですね。
これを表にしてみました。
シミュレーションでまず金利を変え、返済額と年数が変わらないように借入元本をちょっとずつ変えてみればこういう表が出来ます。
このような前提でシミュレーションをすれば、いくら繰上げ返済貯蓄があれば、何%の上昇に耐えられる?という様々なパターンでの試算が可能です。
長期金利の反落があるか?
ここまでは、金利が上がった時の話をして来ました。
気になるのは、これから下がる事があるか?ですがこれについては住宅ローンのアドバイスを行う立場からお答えする事は出来ません。
上がり続ける可能性も一旦下がる可能性もどちらもあり得ると思います。
特に、トランプ氏が就任する前の段階で私が何を言ったところで、読者様としても参考にはならないと思います。
屁理屈かも知れませんが、『今は分からない』という事しか千日が書いていない事を参考として頂ければと思います。
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まとめ〜65歳の定年までに完済したい
いかがでしたでしょうか。今変動から固定に借り換えても十分に得であることがお分かりいただければ幸いです。
もう一点補足致しますと。いずれにしても繰上げ返済するってことです。
昭和47年生まれの千日が当初の35年かけて返済すると、完済は71歳です。とっくに会社はリタイアしてますね。
やはり定年の65歳までには完済すべく計画しようと思ってます。
こちら関連記事です。
住宅ローンはマイホームに第一順位の抵当権を設定するんです。極端な話をすると、1万円でも債務が返済できなければマンションを取り上げられるという契約です。
退職金も年金もどれだけ出るか分かりませんし、退職金に手を付けずに完済出来るように貯蓄をしておけば、さらに安全度が上がりますよね。
以上、千日のブログでした。
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ワードプレスで途中まで作ったんですけど、苦戦してます(⌒-⌒; )
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2016年12月8日
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