韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は今月初めの日韓首脳会談で、安倍晋三首相に「慰安婦問題の年内解決」を迫ったが、自国軍のベトナム戦争での蛮行には、どうケジメをつけるのか。次世代の党の杉田水脈前衆院議員は先月末、ベトナムを訪問し、各地に残る虐殺の慰霊碑や、サイゴン市(現ホーチミン市)の韓国軍「慰安所」を調査してきた。
「韓国軍のベトナム戦争での所業はひどい。彼らは一体、何を正義として闘ったのでしょうか」
杉田氏はこう語った。現地調査は10月24日から29日まで、軍事ジャーナリストの井上和彦氏らと行った。
韓国は、朴氏の父、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領時代の1964年から73年まで、ベトナム戦争に参戦し、延べ約32万人を派兵した。これまでも、民間人虐殺や婦女暴行、韓国軍兵士とベトナム女性の間に生まれた子供「ライダイハン」の問題が指摘されている。
杉田氏らは、虐殺が行われたベトナム南部クァンガイ省を訪ねた。近くのビンディン省やクアンナム省にも「憎悪の碑」「恨みの碑」などと書かれた慰霊碑が多数建てられている。
「慰霊碑には、犠牲者の出身地や年齢、性別が詳細に記されていました。戦時の犠牲者数について(政治的プロパガンダで)『何万人』とか『何十万人』などと吹聴する国もありますが、慰霊碑は正確な記録といえる。韓国軍による虐殺場所は、周辺だけで10カ所程度あるそうです」
ビンディン省ビンアンの慰霊廟には、韓国軍による虐殺を描いた高さ約3メートル、長さ約20メートルもの壁画が設置されている。