エネルギーのバンド構造によって、電子が励起されて価電子帯から伝導体にジャンプするときその移り方によって直接遷移と間接遷移っていうのがある。
直接遷移とはその言葉のとおり、EvからEcにダイレクトで移動するもので、間接遷移は2段階で移動するようなものだ。
以下の図で簡単に説明する。
よく、簡単な本などでは上の図のようなものが載っている。まず、直接遷移ではバンドギャップが小さいために、いきなりダイレクトに励起されるようなイメージを起こしやすい。まあ、それはそれで間違いじゃない場合もあるかもしれないが、ちょっと違ったりする。
本来はバンド構造は下の図のようになっていて、直接遷移とはエネルギーバンドの軸(次元と言うのかな?)がそろっているために、直接価電子帯から伝導帯に移動できる。
一方、間接遷移の場合、バンドの軸がそろっていないために、伝導帯の最下部のEcのレベルの近くまで、いったん励起されて、そこから横っ飛びに移るといったイメージだ。
実は上のバンド図は、この曲線で描かれたバンド構造を真横から見た図ともいえる。そう見れば、実は間違いじゃない。
さて、直接遷移半導体とは普通化合物半導体と呼ばれるもので、以前も述べたがGaAs(ガリウムヒ素)、GaN(窒化ガリウム)、InP(インジウムリン)などが有名である。励起された電子が再結合(励起の反対方向)するときにエネルギーを放出する必要があるのは分かると思うが、この直接遷移型の半導体の特徴は、そのときに強い光としてエネルギーを放出するのだ。実は、この原理を利用して、かの有名な発光ダイオードなどが作られている。
間接遷移型の半導体である、Si、Geなどは再結合のときに2段階になるので光を出すことはなく、フォノンっていうのをだす。だからこいつは、発光ダイオードにはならない。
今回はここまで。次はそろそろダイオードかな。
具体的に何がどうなると横っ跳びになるのでしょうか?