こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
わたしは大学卒業後、いちど民間企業で働いていました。そして思うところあり、会社を辞め歯科衛生士の専門学校に入学しました。25歳のときのことです。(くわしくはこちらをどうぞ。)
一度社会人としてはたらき、学校という学びの場から離れていたからか、専門学校で歯のことについて学んでいた時期は、これまで送ってきた学生生活とは違い「学ぶことの楽しさ」を知ることができた貴重な機会になりました。
なにより、これまであまり歯について意識してこなかったわたしにとって、授業の中で初めて知る「歯の重要性」(逆に言うと「歯が健康でないことの怖さ」)はとてもショッキングで、それ以降の生活習慣を変えるきっかけになるほどでした。
その経験のおかげかもしれません。
歯科衛生士として働くようになった今、歯科医院に来院される患者さんだけでなく、もっと多くのみなさんに「歯」について知ってもらいたい。
そして、ほんの少しの知識と行動で、今後の人生を豊かに生きるための土台づくりができることを伝えたい。
そう思うようになり、ブログをはじめました。
ですが、ただ単に「歯はこんなにも大切なんだ!」と書きなぐったところで、読んでくれる人の心にひっかかるとは限りません。
というより、独りよがりでむしろ敬遠されてしまうでしょう。
そこで、読んでいただく方の頭にスッと入り、へえ〜っと思ってもらったり、さらに何か行動に移してもらえるような文章を書くためにはどうしたらいいんだろうと考え、本を読んだり、情報の活用研修などを受けたりしてきました。
今回は、自分自身の記憶の定着のため、さらにもしかしたら誰かの役に立つことがあればということで、これまで得た知識をもとにわたしのブログ記事作成方法をまとめてみたいと思います。
大前提として
まず、わたしがブログを書き始めるにあたりいろいろと仕入れたデータの中から、とても驚いたデータを紹介したいと思います。
以下のグラフをご覧ください。
出典:情報通信政策研究所調査研究部「我が国の情報通信市場の実態と情報流通量の計量に関する調査研究結果(平成21年度)」
このグラフは「日本全体での情報流通量の推移」を表したものです。
注目していただきたいのが、紺色の線とピンク色の線のふたつです。
伸び方が尋常でない紺色の線は「流通している情報量」を示しています。
それに対してピンク色の線は「ひとりが消費する情報量」を示しています。
このグラフからわかることは、
ここ数年で流通している情報の量は莫大に増え続けているのに対し、個人が消費できる情報量はそれほど変わっていない、ということです。
つまりわたしたちには、圧倒的な情報量のなかで、どの情報を消費するべきか賢く選択する能力が急速に求められていると言えるのではないでしょうか。
さらにこのグラフは平成21年時点のものですから、現在の情報量はどのくらいかと考えると、恐ろしいぐらいだと感じます。。。
こんな現状の中で、自分はこれからブログで情報を発信しようというのです。
大切なことはおのずと分かるというものです。
「本当に役に立ち、必要な情報を過不足なく届ける」
ということです。
このことを大前提として、どう記事を組み立てているかをお話したいと思います。
5つのステップ
ブログの記事をまとめるにあたり、5つのステップを踏むよう意識しています。
まずざっとご紹介します。
- 何を伝えたいのか、目的をきめる
- 仮説をたてて、必要な情報を洗い出す
- 情報収集する
- あつめた情報を整理する
- わかりやすく表現する
これだけですと抽象的になりすぎてしまうので、じっさいに前回書いた「キシリトール100%ガムを知っていますか? 虫歯予防は効果的に!」の記事を題材として、それぞれ細かくみていきたいと思います。
1.何を伝えたいのか、目的をきめる
これ、とても大事なのですが、じっさいにブログを書くにあたってはあいまいになりがちです。
たとえば、前回書いた「キシリトール」の記事を例にとると
書くネタは何にしようかなー、と考え、そうだ!「キシリトールが歯にいい」ってことについて書こう、と思いつきます。
そして次に何をするかというと「とりあえずグーグルで検索」をしちゃいがちなんです。
もちろんわたしは歯科衛生士ですから、キシリトールについてはある程度の知識もありますし、ガムやタブレットを口にしたりもしています。
ですが、その知識を補強したりふくらませたりするために、なんとなーく検索をしてしまうのです。
ここが落とし穴なのです。
目的がふわっとした状態で検索を始めてしまうと、どんな情報を、どこまでの深さまで、どれくらいの幅で集めればいいのかが分からなくなってしまい、ただたくさんの情報を集めました、でもこれ、どうやってまとめればいいんだろう……という状態に陥ってしまうんです ><
こうならないために、ブログの記事の目的をもっとはっきりさせます。
「キシリトールは歯にいいということを知ってもらう」
↓
「キシリトールが歯にいい理由を理解してもらい、正しいガムのかみ方を実践することで虫歯を予防してもらう」
こんな感じです。
ぐっと焦点がしぼれた感じがするのではないでしょうか。
2.仮説をたてて、必要な情報を洗い出す
つぎに、仮説を立てます。
ここでいう仮説とは、ブログを読んでくれるひとは「どこまでは知っていて」「なにを知らない」「なにを知りたい」のだろう、ということを想像してみるということです。
じっさいにキシリトールの例で説明してみますね。
わたしはこんな感じで仮説をたてました。
こんな感じです。
そしてこの仮説をもとに、それぞれの答えを提示するための情報を集めます。
3.情報収集する
さきほどの仮説の内容にそって、
などの情報を収集します。
はじめに目的を押さえ、仮説をたてていることで、より効果的に情報収集できるのが分かっていただけるのではないでしょうか。
やっぱり最初に目的やら仮説やらを考えることって面倒ですから、いきなり関連するワードでグーグル検索して、なんとなくめぼしいデータなどをまとめて記事にする…
みたいなことをしちゃいがちなのですが、そうするとこの情報収集の段階で逆に時間や手間がかかってしまうんです。
そして当然、記事自体も焦点が定まらず、読んでくれるひとの心に落ちていかない内容になってしまうんだと思います。
情報収集の際、ぜひ知っておきたいこのふたつの言葉について説明しておきます。
【一次情報とは】
誰のフィルターも通っていない、加工されていない情報のこと。
例:「生産者の声」「店員へのインタビュー」など
【二次情報とは】
他の人によって集められた情報のこと。
例:「官公庁の統計」「民間調査会社の統計」「新聞」「雑誌」など
4.あつめた情報を整理する
5つのステップの話にもどります。「4.あつめた情報を整理する」です。
こちらもキシリトールガムの例でお話します。
キシリトールがなぜ歯にいいのか、についてもっとも大きな理由は「虫歯の原因となる酸を出さない」 という点にあります。
ですのでもちろんこの情報を記事内で紹介するわけですが、それ以外にもこまかな部分で歯にいい理由がいくつかあるんです。
そこで、その他の歯にいい理由も加えていくことで記事に厚みが生まれ、説得力を増すことができます。
一方で、あまり多くあげすぎると、最も大事な「酸を出さない」という事実が薄れてしまい、読むひとの頭のなかが混乱してしまいます。
このように、手持ちの情報のうち、どの情報を出してどの情報は出さないのかを判断することがとっても大事になってくるのです。
冒頭で紹介したように、受け取る情報がものすごい勢いで増え続けている現代において、情報はたくさん与えればよいというものではありませんよね。
わたしはこの「情報の整理」をすることが、読んでくれるひとへの誠意なのではないかと感じています。
5.わかりやすく表現する
さいごの段階です。
ここまであつめたデータや情報をまとめていくわけですが、ここでは「論理性」が最も大切です。
情報収集した材料が、自分がたてた仮説をしっかりと補強しているか、その結果その記事で伝えたいこと(目的)をつたえられているかを検証する必要があります。
さらに読んでいる方に伝わりやすい方法を探る中で、グラフや図も活用できるとさらに読んでいる方の理解度、満足度は高まると思います。
まとめ
ブログを書くために自分が学んできたことをあらためて整理することで、知識を記憶に定着させ、今後よりいっそう読んでくれる方のためになる記事をかければとおもっています。
とはいえ、こんなふうに筋道をたてた記事ばかり書いていても楽しくないなぁ、なんて思うこともあり、
じっさいに「ひとりごと」といったカテゴリーでは、論理なんておかまいなしのゆる〜い、超個人的な内容も書いています (^^♪
今回はわたしなりのブログ執筆の方法についてお話しましたが、もしだれかの役に立つ部分がすこしでもあれば、という気持ちでまとめてみました。
さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。
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