HOME > オートサウンドレビュー > ASWグランプリ2016座談会 ALPINE ビッグXを語る。音楽が気持ちよく聴ける
2016年12月 7日/Auto Sound Web 編集部・オートサウンドウェブグランプリ選考委員
パネラー=オートサウンドウェブグランプリ2016選考委員(石田功、鈴木裕、藤原陽祐、黛健司、脇森宏、オートサウンドウェブ)
細かな見直しを積み重ねてきた実力機
オートサウンドウェブ(以下、ASW):アルパインのAVナビゲーション「ビッグXシリーズ」がシルバーアワードを獲得いたしました。本シリーズはビッグX11のEX11V、ビッグXプレミアムのEX10V/EX9V/EX8V、ビッグXのX9V/X8Vが該当します。EXがつく11とプレミアムは、車種専用のサウンドチューンが施されていますが、基本設計は共通しているので、シリーズとしての受賞となりました。このシリーズの魅力をうかがっていきたいと思います。まず藤原さんからお願いします。
藤原陽祐(以下、藤原):さきほど鈴木さんともお話ししていたんですが、もう一つのシルバーアワード受賞製品と全く違う評価なんですね。あちらはオーディオの回路をしっかり作りながら多彩な調整機能を組み込んできていて、D/Aコンバーターにも車載用の高級なデバイスを使っていたりする。いわゆるプレーヤーとしてHiFiな音作りへの王道とも言えるアプローチで攻めてきています。いっぽうこのアルパイン「ビッグX」は、AVナビとして練り上げられてきているんですね。オーディオの回路がナビや地デジの回路からの影響を受けないようにであるとか、電源回路の見直しであるとか、製品全体の性能向上が図れるようなブラッシュアップを重ねてきています。
今年のモデルではボリュウムを高性能化したほか、コンデンサーを真空状態で製造した世界初のデバイスを搭載しています。このアルパインのアプローチの仕方もオーディオ機器の改良を進めるやり方としてはすごく正統派なんですが、若干昔ながらなところも否めないんですね、もっともそういう昔ながらのオーディオのノウハウの積み重ねができるというメーカーは今や貴重ですよね。どちらのアプローチがいいのかという話も出てくるかもしれないですが、どちらもいい音に仕上げてきているので、一概にこれが正しいとは言えませんね。
でも、ビッグXが聴かせる音には目を見張るところがあります。音量をしぼったときのボリュウム感とか『どうしてこんな音がナビの内蔵アンプの最大出力50W程度のデバイスで送り出せるんだろう』と思ってしまうくらいです。これはもう明らかにAVナビの音と一線を画した魅力を持ったサウンドだと感じますね。アルパインの開発は、年々コツコツと改善をしていて、毎年『まだ良くする余地があったのか』と思うんだけれど、開発エンジニアに聞くと来年モデルではさらに克服するべき課題が見えていると言うんですから、驚くほかありません。
去年も言ったんですが、アルパインはカタログを見ても、音のことに触れていないんですよね、これだけすごい音で聴かせるのに。もうちょっと「音がいいAVナビ」を謳った方がいい気がするんですけれどね。紙のカタログの他にウェブサイトなどでは......。
一同:ないですね。ないです、ないです。
藤原:そのせいでもないのでしょうが、カーオーディオのコンテストにエントリーするクルマに搭載されることもほとんどないですよね。ただ、ビッグXをクルマに乗せて音楽を聴いたら、誰もがハッピーになれる気がしますよね。車両の純正スピーカーのままでも、これ1台を導入するだけで、ゆったりと音楽が楽しめるようになるでしょう。これはとても価値のあることだと思います。
ASW:石田さんのご意見はいかがですか?
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