千葉大医学部集団強姦(ごうかん)致傷事件で、逮捕された学生が飲食店で被害女性に性的暴行した後、同じ飲み会に参加していた研修医の藤坂悠司容疑者(30)に「先生もどうですか」などと持ち掛けていたことが捜査関係者への取材で分かった。学生3人は「酔った勢いでやった」という趣旨の供述をしているといい、千葉県警が経緯を調べている。
集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕されたのは、医学部5年の吉元将也(23)▽山田兼輔(23)▽増田峰登(23)=いずれも千葉市中央区=の3容疑者。藤坂容疑者=同=は酔って抵抗できない女性の体を触ったなどとして準強制わいせつ容疑で逮捕された。事件が起きた千葉市内の飲食店では十数人が参加する飲み会が開かれていた。
6日に記者会見した千葉大の中谷晴昭筆頭理事らによると、藤坂容疑者は金沢医科大を卒業後、同県船橋市立医療センターを経て4月から研修医として付属病院に非常勤で勤務。学生3人は8~9月、食道・胃腸外科の実習に参加し、藤坂容疑者は教員の補佐として学生に指導や助言をした。4人の勤務、学習態度については「特段の問題はなかった」と説明した。
中谷筆頭理事は「女性を深く傷つけた。人としてあってはならない。深くおわび申し上げる」と陳謝した。千葉大は県警の要請を受けて中断した調査を再開し、周囲の学生らの聞き取りなどを進め、研修医と学生の処分を検討する。【斎藤文太郎、信田真由美】