- 2016年3月、日本に居る外国人留学生数の最新調査結果が発表されました。
平成27年5月1日現在の留学生数は、208,379人
平成26年5月1日現在(184,155人)と比較すると、24,224人(13.2%)増
うち、高等教育機関に在籍する外国人留学生数は152,062人(12,877人( 9.3%)増)
日本語教育機関に在籍する外国人留学生数は56,317人(11,347人(25.2%)増)
(引用:平成27年度外国人留学生在籍状況調査等について - JASSO)
満16歳を迎える日本人が毎年約2万人ずつ減少しているのに対し、これを補うように、留学生が毎年約2万人増加しています!
日夜、人手不足が問題視されています。飲食店を運営されている皆様も当然「留学生でも、いい子がいれば採用しても構わない!」とお思いのハズ。しかし面接するとなると『日本語力が不安…』 『資格外活動許可?』 『結局、日本人を雇うより面倒くさそう!』…この様な不安は拭い去れません。
今日はそんな正直な方々に、採用現場での小ネタをお伝えします!
日本語のコミュニケーションは問題ない?
外国人雇用での最優先事項は語学といっても過言ではないでしょう。語学力を判断する基準は、日本語能力試験・J-TEST・日語NAT試験…等、あらゆる検定があります。中でも日本語学校でポピュラーなのが「日本語能力試験」でしょう。日本語能力試験とは
N1級(ビジネス会話)からN5級(挨拶程度)まで5段階あります。
では飲食店で働くのに必要な日本語レベルはどれくらいでしょうか?飲食店としては、募集要項に「応募資格はN3以上取得の方」と明記して予防線を張りたい衝動が湧いてきますが、学生の中には、母国仕込みのN3取得!→まったく会話が通じない!という事例もありますのでご注意ください。
日本語能力試験は、日本人の英語検定と似ていて、筆記試験は高得点だけど、実際の会話は苦手と言う方が少なからず居ます。単調な採用面接では、留学生の真の会話力を見抜くのはなかなか難しいです。『メニューの音読・接客用語の唱和』等、面接内容の工夫をしたり、そもそも人材会社に外部委託して事前審査をしてもらう、というのが現実的な対処策かもしれません。
留学生雇用の書類手続きについて
実際の書類手続きで、外国人と日本人に特別な違いはあまり有りませんが、注意したいポイントが3点。資格外活動許可
文字にすると堅苦しいですが、確認はとっても簡単!留学生が所持する「在留カード」の裏面を見てください。日本政府発行なので、当然すべて日本語。彼らの母国語で書かれたパスポート査証よりも手軽に確認できます。在留カードは常時携帯が義務付けられていますので、ちゃんと所持/更新しているかどうかも判断のポイントにです。
来日して1年未満か否か?
税金の話です。所得税や住民税の額は、前年の所得が基準です。来日1年未満の留学生には、参照すべき前年所得がありません。このため、税額控除の手続きを取らなかった場合、1年未満の方は原則給与20%の所得税が課されます。事前に説明しておかないと、店長がピンハネ…?と、あらぬ誤解を受けて、嫌な気分になる事も(汗)給与天引きの制度自体が日本独特だということを、お互いに理解しておきましょう。留学生の場合、「(履修期間の明記された)在学証明書」があれば、課税額を抑えられる場合があります。在学証明書は学生から学校に申請すれば、すぐに発行してもらえるので、学生に伝えてみましょう。
銀行口座はあるか?
「安心してください、持ってますよ!」これは多くの場合、学校が学生サポートの一環として口座開設を支援しているためです。奨学金の振込みにも必要ですから、留学生は「ゆうちょ銀行」の口座を持たされることが多い様です。ただし、飲食店側の都合により給与振込み先の銀行指定がある場合、留学生が新規の口座開設に戸惑う様なら、学校のサポートを促しましょう!留学生自身から学校に協力を仰いでもらうのが最速です。
以上の3点は雇い入れ時の関門です。雇用後にも細かい手間は出てくるかもしれません。。。最近では入社手続き書類の準備/記入サポートまで行う人材会社もありますし、行政書士さんや学校の学事課など、便利な相談相手を外部に見つけることが、飲食店の今後のポイントとなっていきそうです。
まとめ
外国人留学生の雇用は、日本人雇用よりもハードルが高いのは事実です。言葉・文化・手続きの壁…。しかし、就業可能人口の構成比が変わっていく以上、避けては通れない道となりました。これからの時代は留学生アルバイトを雇い入れていかなくては、経営が困難な状況にもなり得ます。
ただでさえ時間のかかる採用活動。更に手間をかけるなんて…とお悩みの方は、難しい手続きは外部人材会社に委託して(身元確認や書類準備など)、店舗は職場環境の整備に専念する。というのも一つの手です。
今日は外国人留学生のアルバイト採用現場で見聞きした葛藤の端っこについての、お話でした。
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