ジョギングで筋肉が減るメカニズム
ジョギングのような有酸素運動で筋肉が減るという現象は、エネルギーが不足する事が原因で起こります。
そのエネルギーとは体脂肪(運動で分解される)、糖質(グリコーゲンがブドウ糖になり消費される)、グリコーゲンの3つです。これらエネルギーが不足すると筋肉が発達しません。運動するとエネルギーが消費されますが、その後のエネルギー補給、つまり食事摂取が不十分だと筋肉が付くられません。こうした流れにより、運動すると筋肉が減るという現象が起こります。
また、有酸素運動自体にも筋肉を分解してエネルギーに変換する副作用があります。通常は体脂肪から使われますが、体脂肪が少なくなると筋肉を分解し始めるためです。
実は難しい、筋トレとダイエットの並行
体重を落とす事と筋肉を鍛える事は、なかなか大変です。消費カロリー量が摂取カロリーを上回らなければダイエット効果が出にくいですが、そうなると筋肉まで落ちるからです。
さらに運動をするにもエネルギーが必要なため、消費した後はしっかり補給しなければならないというジレンマも発生します。特にグリコーゲンが消費されると筋肉の働きが落ちてしまい、運動自体を続けられなくなります。また、エネルギーがなければ筋肉が発達せず、減る一方となります。
ダイエットの為にジョギングを始めたのに、それを続ける為には食事でエネルギーを補給しなければならない。この葛藤が付きまとう為、筋トレとダイエットの並行は難しいと言えます。
過剰な運動によって分泌される『コルチゾール』が筋肉を破壊する
また、過剰な運動によって分泌されるストレスホルモン、『コルチゾール』も筋肉量減少の原因です。
コルチゾールとはストレスを受けることで分泌されます。ストレスの受け始めにはアドレナリンが分泌されますが、長時間にわたってストレスを受け続けた場合、今度はコルチゾールが分泌され始めます。このコルチゾールには筋肉を分解するという作用がある為、あまりに分泌されすぎるとドンドン筋肉が減っていきます。
痩せたいと思うあまり運動をし過ぎるという過激なダイエットを行う人もいますが、それは筋肉減少に拍車をかけてしまいます。部活動などで「休むのも練習の内だぞー!」と顧問の先生から言われた事のある人がいるかもしれません。コルチゾールの働きを知ると、休むのもトレーニングの内というのは正しいといえます。
筋肉を減らさない為に、エネルギー補給をしっかりする
ジョギングによってエネルギーが消費されるのはすでに説明しました。ダイエットが目的ならカロリー消費は大切ですが、あまりにエネルギーが不足すると筋肉までやせ衰えてしまいます。よって、食事はしっかり摂る必要があります。
糖質、たんぱく質、脂質などを食べ、減ったエネルギーを身体に与えてあげましょう。ダイエット中は食事量のみならず、食べるという行為そのものを敬遠する人も多いです。
食事をほとんど摂らずに運動し続けるという過激なダイエットに及ぶ人も少なくありません。しかし「食べないダイエットは身体に悪い」と言う通り、エネルギー補給はちゃんと行うべきです。
糖質制限ダイエットも体重減少には効果的ですが、運動を並行して行うなら話は別です。 基礎代謝が落ち、リバウンドしやすい身体になってしまいます。運動前にバナナなどを食べるのもオススメです。
筋肉減少の対策〜筋トレ編〜
筋肉減少の対策は、運動方法にも存在します。
まずダイエット中に筋トレをする場合、長くても90分以内に抑えておきましょう。それ以上の筋トレはストレスが大きくなりすぎ、コルチゾールの分泌量も増えます。筋トレの頻度は週に3回ほどが目安です。筋肉の発達には、筋トレ後から約48時間の休息が必要です。週3回に抑えることで効率的に筋肉が発達し、運動による筋肉減少を帳消しにできます。
また、身体の部位を分割して鍛える方法もオススメです。たとえば月曜日は腕立て、火曜日は腹筋、水曜日に背筋をして、木曜日はスクワット……というように、曜日ごとに筋トレで鍛える部位を分けるなど。こうすれば腕の筋肉を休めている間に腹筋や背筋が鍛えられますし、無駄なく全身の筋肉量をアップさせる事が出来ます。
筋肉減少の対策〜食事編〜
筋肉を分解するコルチゾールを押さえる方法もあります。それは炭水化物を摂取する事です。
コルチゾールは血中のインスリン濃度が上がると分泌量が下がります。インスリンは血糖値を下げる為のホルモンのため、血糖値が高い状態で分泌されます。つまり、炭水化物などの糖質を摂取して血糖値を上げておけば、コルチゾールの分泌が抑えられるという事になります。
糖質制限ダイエットが有名になりましたが、コルチゾールを下げるには炭水化物を摂取することが大切です。どうしても炭水化物を食べるのに抵抗があるならサプリメントを使用するのもよいでしょう。今はコルチゾールを減少させるグルタミンやクレアチンが売られているので、これを使うのも1つの手です。
もちろん、糖質の過剰摂取は太る原因となってしまい、元も子もないため、糖質の摂取量は次のようにしましょう。
『体重1kgあたり糖質1g』
カラダ作りのための糖質摂取量については、『完全な糖質カットはダイエット失敗の元!?正しい糖質制限ダイエットの方法とは?』を確認してください。
ダイエットと筋トレの両立を!
ダイエットと筋肉量アップは難しいですが、いくつかの対策を取ることで抑える事が出来ます。脂肪を落としつつ健康的な体型になりたい人は、ぜひこの記事で紹介したことを参考にしてください。
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