ドラゴン桜というマンガを知っていますか?
超低偏差値の高校生を1年で東大に受からせるという内容の人気マンガです。
キャッチコピーは『教えてやる。東大は簡単だ。』
これまでの常識を覆すような型破りな勉強法(だけど意外と科学的で納得できる)が多数登場し、話題となりました。
阿部寛主演、長澤まさみやガッキー、ヤマピー、サエコも出演したドラマも放映されたので知っている方も多いのではないでしょうか(今考えるとめちゃくちゃ豪華なメンバーやなぁ)
実はそのドラゴン桜、続編が存在しているのですが知っていましたか?
その名も『エンゼルバンク』
登場人物もドラゴン桜と同じメンバーが多数出てきます。
そして、ドラゴン桜は受験マンガですが、エンゼルバンクは社会人向けの内容です。
作品説明
今の仕事に悩んでないか!? 転職を考えているなら……そのときこそが人生の転機だ!! 龍山高校英語教師・井野真々子(いの・ままこ)は、転職代理人の海老沢康生(えびさわ・やすお)と出会った。そして、彼の話にひかれ転職を決意、選んだ職業は、海老沢と同じく転職代理人!! メディアに騙されるな、イメージに惑わされるな。これは社会人のための“ドラゴン桜”だ!
(C)三田紀房
この作品、とにかく読者を唸らせる名言が多いんです。
作品のメインテーマが転職ということで転職活動の息抜き兼情報収集で読み始めたのですが、それだけでなく社会人・ビジネスマン全般に向けられたメッセージが多くありました。
どれもこの社会を生き抜く上でとても役に立つ名言ばかりです。
よって今回その一部をピックアップしてみました。
ただし、結構辛口な言葉もあるので、やや閲覧注意です笑
しかし、どの言葉も社会人なら考えさせられるものばかりです。
では早速紹介していきます。
目次
- 転職はリセットではない、人生のチューニングだ
- 大きな成功を得たければ、全員が右を向いた時は左を向け
- 成功の反対は「失敗」ではない
- 「いい会社の見分け方」は「中古物件の賢い買い方」と同じ
- 情報は、すべての人がその意味を理解できたら価値を失う
- "会っている人間がずっと同じなヤツ"はいつまでも夢を実現できない
- 「仕事」とは自分で作り出すもの。与えられたものは「仕事」ではない、それは「作業」だ
- 「ルールを疑わないやつ」は「ルールを作ったやつら」に利用される
- 人の価値は「相場」が決める
転職はリセットではない、人生のチューニングだ
出典 -エンゼルバンク1巻-
よく人は転職をリセットだと思っています。
転職すれば生まれ変わるかのようにそれまでの悩みがすべて解消し、すべてうまくいく。そう思い込んでしまいがちです。
しかし、人生にリセットなんてない、とこのマンガでは言っています。
なぜなら人はどんな仕事でも必ず何かしらの我慢をしなければならないからです。
この社会には、給料も、労働時間も、将来性も、やりがいも、安定もすべて満足できる仕事なんてまずありません。
例えば、外資系金融会社は給料はバカ高いかわりに、成果を求められる。
日々のプレッシャーは強烈に激しい。突然クビを宣告される不安定さもある。
給料をとれば精神的重圧を我慢しなければならない。
つまり、転職する上で考えなければならないのは、「自分が何にストレスを感じるか」だというのです。
給料、労働時間、職場環境、やりがい。
何は我慢できて、何は我慢できないか、それを自分で把握しておく必要があります。
ストレスを減らせるように調節するという考え方で職場を探すと転職はうまくいく。
逆に、すべてを1からやり直せると期待して転職活動をするとうまくいかない、ということです。
この言葉には、なるほどなと納得させられました。
これは転職を考えているぼくも肝に銘じておきたい言葉です。
大きな成功を得たければ、全員が右を向いた時は左を向け
出典 -エンゼルバンク2巻-

革新的なことをやり遂げたい。
そう思っている人が他人と同じことをしていてはダメですよね。
それじゃあ新しいものは何も生まれない。
そのことをわかりやすく表現した言葉だと思いました。
そして、人は他人と同じことをしてないと不安になります。
「自分だけが違うことしているけど、これで本当に大丈夫なのか?」と恐怖を感じます。
だから、人と反対側を行くには勇気が必要です。

出典 -エンゼルバンク2巻-
しかし、多くの人がその勇気を振り絞れない。
だからその分、成功者は少ないし、革新を産めば高い評価を受けることができるのでしょうね。
ぼくらに必要なのは人の流れに逆らって、反対側に突き進む勇気です。
成功の反対は「失敗」ではない
出典 -エンゼルバンク5巻-

登場人物の海老沢は、「成功の反対は失敗ではない。挑戦しないことだ」と言います。
その理由を彼はこう説明します。
マザーテレサの言葉に「愛情の反対は無関心」という言葉があるように、好きの反対は嫌いではありません。
愛情が憎しみに変わり、憎しみが愛情に変わることはある。
それと同じように、失敗が成功に変わることはあるけれど、何もしなければ成功も失敗もありません。
そして、このように世の中の人はある物事に対して、その反対語が何なのかわかっていない。
(マザーテレサの言葉は有名だからみんな知ってますが、マザーテレサが言い出すまでは誰も「好きの反対が無関心であること」に気付いてなかったでしょうしね)
だから逆の発想ができない。
(ここで「成功したければ人とは逆へ行け」という言葉にも繋がってきますね)
逆の発想をするのは簡単そうで難しいことです。
メディアが伝えるニュースなどを鵜呑みにせず、ニュースの逆を発想すれば、利益になる情報が得られる、と海老沢は言います。
そのためにも、日頃から情報を得たら、その逆は何かと考える訓練をすることが重要でしょう。そうすることで、真の逆の発想力を身につけることができます。
「いい会社の見分け方」は「中古物件の賢い買い方」と同じ
出典 -エンゼルバンク5巻-
「いい会社の見分け方は中古物件の賢い買い方と同じ」と桜木はいいます。
そしてこう続けます。
物件の宣伝文句は大きく以下の2つに分けられる。
- A. 抽象的な褒め言葉
- B. 具体的な褒め言葉
宣伝文句に褒め言葉が書かれていることは当然のことですが、そこにどういう言葉が並んでいるかで、その本質が推測できます。
いい物件ならば褒めるところが具体的に思い浮かぶので、それがそのまま書かれています。
それを見た側も、そこでの具体的な生活が思い浮かべることができます。
一方、大して特徴もない物件を苦し紛れで褒めようとすると、どんな物件にも言えそうな抽象的な言葉ばかりが並ぶことになります。
このように、抽象的な言葉、褒め言葉の常套句、無難な褒め言葉しか出てこないようであれば、その物件には注意した方がいい、といいます。
それは自ら長所がないことを白状している、マイナスのサインである可能性があるからです。
そして、これは求人票のアピールにもあてはまるというのです。
出典 -エンゼルバンク5巻-
求人票を出す際、会社に良いところがあるなら、それを具体的にアピールすればいいだけです。
しかし、それがない場合、抽象的なことを書かざるを得なくなります。
求人票に「笑顔が絶えない」などの抽象的な言葉が並んでいたら注意しなければなりません。
「笑顔が絶えない職場」というのは、いい会社なら当たり前のことなのに、わざわざいうのはその会社では当たり前ではないということの可能性があります。
良い物件と同じで良い会社は具体的なことをアピールしています。自分たちの会社の人強みを理解していれば自然とPR文は具体的になるからです。
確かに「いい会社の見つけ方は、中古物件の賢い買い方」に似ていますね。
会社を探す際には、PR文に抽象的なことばかり書いてある会社には注意した方が良さそうです。
そしてコレは逆から考えると、自分が自己PRする側に回ったときにはちゃんと具体的なことを言った方がいいということでもありますね。
「抽象的な表現には注意しろ」
この言葉1つだけでもかなり転職活動に役立ちそうです。
情報は、すべての人がその意味を理解できたら価値を失う
出典 -エンゼルバンク5巻-
登場人物・井野真々子(転職エージェント)は、「採用先の企業が報酬を負担し、転職希望者は1円も払わずに転職活動のサポートを受けられる」転職エージェントという仕組みに対して、
「なぜみんなもっと利用しないんだろう?知らないのかな?」と疑問に思います。
そこへ上司である海老沢康夫は、「知っていても利用しない人はたくさんいる」と言った上でこう付け加えます。
「みんな、こわいんだよ」
タダほど高いものはない。
その言葉に象徴されるように、タダと聞くと何か裏があると疑いたくなる。
特に本気度が高いものほど、値段と一緒に安心を買っている、と。
そして、怖くてよくわからないものをそのままにしておく人は損をすると言います。
なぜなら、
情報はすべての人がその意味を理解できたら価値を失うから、と。

情報は鮮度が命。他人が知らない内にそれを活用してこそ、その恩恵をフルに受け取ることができます。
そのために、「怖い」「怪しい」という印象に惑わされずに物事の本質を知ろうとする態度は、確かに重要だなと思いました。
「成功したかったらみんなと逆方向へ行け」という発言とも通じるものがありますね。
みんながやっている事(みんなが知ってること。既知のこと。)をやっていれば安心できますが、みんながやっていないことをやるには、未知のことへの恐怖、「これでいいのか?」という不安が伴いますからね。
情報を駆使して他人の1歩先を行くためには、「怖い」「あやしい」「よくわからない」を放置せずに調べること、そしてときにはそこへ1歩踏み出す勇気が必要ということでしょう。
"会っている人間がずっと同じなヤツ"はいつまでも夢を実現できない
出典 -エンゼルバンク5巻-

自分の同級生や昔なじみの人とばかり会う人はよくいます。
昔からの知人・友人と会うのは確かに楽ですね。
その理由を、
「自分と同等かちょっとレベルの低い人としか会わなければ、自分の地位に安心したり、優越感を味わうことができるから」
と、海老沢は言います。
出典 -エンゼルバンク5巻-
しかし、会って話すことと言えば、学校時代の思い出話や、あいつが結婚したとか、子供ができたとか。
そうやって盛り上がれば確かに楽しいけれど、何の新しい情報も刺激もない。

新しい刺激や情報を求めて、色んな人と会ってみる。
そうすることで、自分をより成長させるチャンスを得ることができる、と。
なかなか耳の痛い話ですが、確かにその通りだと思います。
知らない人と1から知り合おうとするのは億劫ですが、その結果これまで知りえなかった新しい情報、新しいチャンスを得られる可能性があります。
今はインターネット、特にSNSを使えば色んな人に会えるチャンスがありますので、そういったツールをどんどん活用して、自分の幅を広げていくこともできますからね。
「仕事」とは自分で作り出すもの。与えられたものは「仕事」ではない、それは「作業」だ
「私の仕事は何ですか?」なんて質問を恥ずかしげもなくできるのは子供だけだ。と、桜木は言います。
それに対し、「仕事を用意してもらわなきゃ困るでしょ?」と井野。
出典 -エンゼルバンク6巻-
その問いに対し桜木は「大人になるってどういうことかわかるか」と問いかけます。
返事に窮する井野。
そして桜木はこう続けます。
子供は大人から与えられないと生きていけない存在だ。食べ物も服も家も与えられ守られている。
大人になるっていうのは
与える側になること。そして、仕事というのは社会に何かを与える行為。
仕事を考え出して初めて大人になれる。
そして、見出しの名言。

出典 -エンゼルバンク6巻-
仕事を作り出すことは、それをこなすことよりも何倍も難しい。
それができて初めて1人前の大人だということですね。
なかなか辛口ですが、確かに自律するってそういうことだと思います。
今まで指示されたことを完璧にこなすことだけで満足していた人は、考え方を改めた方がいいかもしれません。
「ルールを疑わないやつ」は「ルールを作ったやつら」に利用される
会社のルールも根拠があるものと、社員は勝手に思っているが、案外いい加減なものだと桜木は言います。
出典 -エンゼルバンク6巻-
しかし、日本の会社員は決まったことをただ鵜呑みにする。
昔からそうだからという理由で全く疑うことをしない。
そして何の抵抗もしない。

出典 -エンゼルバンク6巻-
確かに、多くの人は「ルールには従うもの」と無意識のうちに信じ切っています。
それは「ルールは守らなければならない」と刷り込まれた義務教育の影響かもしれませんね。
そのため、「なぜそのルールがあるのか」というところまで考えが至らない。
そうなると、知らない内にそのルールを作った人間のいいように操られていたという結果になってしまいます。
出典 -エンゼルバンク6巻-
ルールといえば、オリンピックのある種目で日本が勝ち始めると、日本の選手が不利になるようにルールを変えようとする動きがあるという話もあります。(日本はその辺の根回しが下手なようです)
ルールは天から与えられたものでも何でもなく、誰かが(人間が)意図を持って作り出したものです。そのことに気付かないとルールを疑うという発想にすら至らないでしょう。
ここでいうルールは常識という言葉に置き換えてもいいかもしられません。
「ルールを疑え」
このマンガは一貫して、「漫然と生きるな。頭を使え!」ということを繰り返し訴えてきますね。
人の価値は「相場」が決める
出典 -エンゼルバンク1巻-
モノの価値が需要と供給で値動きするのはみなさんもわかっていると思います。
しかし、人の価値も同じように相場が決めているということまでイメージできている人は少ないんじゃないでしょうか。
それは、人間とモノは違うものだというイメージが固定観念としてあるからでしょう。
出典 -エンゼルバンク1巻-
しかし、労働市場(転職市場)という観点からみれば人間(人材)も商品としてみなされます。
そう考えれば、その価値が相場によって決まるというのは当然ですよね。
作中では自分の価値の値動きを定期的に観測することを勧めています。相場に対して上がっているか、下がっているか。
そのために必要なのが、
- 自分の価値・需要の定点観測
- 長所や強み、スキルの棚卸し(整理)
といいます。
ーーーーー
以上、エンゼルバンクの名言を紹介しました。
色々な言葉がありましたが、それらを1言にまとめるなら、「仕事や転職で成功したかったら、思考停止せずに自分の頭を使って考えろ」ということでしたね。
これらの名言を胸に、流されるままの人生ではなく、自分の頭を続けます使って人生を切り開いていきましょう。
また、エンゼルバンクにはこれら以外にも仕事、転職に効く名言がたくさん出てきます。気になった方はぜひ単行本を読んでみてください。
無料で転職マンガを読みたい人は▼こちらがおすすめ。
▶︎理系・研究者のキャリアをマンガでわかりやすく解説!【研究者の未来】
理系(特に研究職)の転職市場の現状やキャリアアップの仕方についてマンガで紹介してくれています。こちらのサイトに無料の会員登録をすることで読めるのでおすすめです。
理系の転職事情を知っておきたい人は読んでおいて損はないですよ。
登録前でも途中までは読めるので、のぞいてみてください。
エンゼルバンクで学んだことを活かす方法
作中では自分の労働市場(転職市場)での価値の値動き(相場に対して上がっているか、下がっているか)を定期的に観測することを勧めていました。
そして、そのために必要なのが、
- 自分の価値・需要の定点観測
- 長所や強み、スキルの棚卸し(整理)
だと言っていました。
それを実行するための便利なツールが存在します。
自分の今の市場価値を測る簡単な方法としてはMIIDASというサービスあります。5分程度の簡単な質問に答えるだけで、自分の市場価値(想定年収)を算出してくれます。
*MIIDASのマイページ画像
無料で受けられますのでかなりオススメです。
▼公式サイト
参考記事:自分の適正年収を無料診断!転職支援サービス:MIIDAS徹底レビュー!
またリクナビNEXTへの登録もオススメです。
プロフィールを登録しておくと自分の経歴、スキルに応じた求人企業を知らせてくれるので、「転職市場での自分の需要」を定点観測することができます。
また、会員登録するとグッドポイント診断というかなり精度の高い強み診断も受けられますので、自分の強み(長所)の棚卸しも同時に行えます。
参考記事:人生は配られたカードで勝負するしかない。グッドポイント診断で自分の強みを簡単に知る方法
会員登録は無料で、登録するだけでこれだけの事ができますので、とりあえず登録しておくことをオススメします。
こういったサービス・ツールを活用して、自分の市場価値をチェックしておくといざという時に役立ちますよ。
以上、エンゼルバンクの名言がとっても役に立つというお話でした。
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