韓国で戦争ビジネスが活況だ。
同国の軍事関連輸出は2009年以降、1100%近く増加した。不安定さを増す世界情勢や価格競争力の高さ、同国が得意とする通常兵器の需要再燃により、同国の武器製造企業が繁盛していることが背景にある。
アナリストは、韓国はこのまま順調にいけば、20年までにアジア最大の武器輸出国である中国を追い抜くとみている。
CLSA証券の韓国部門の調査部責任者、ポール・チョイ氏は「世界的にも韓国は良い位置につけている」としたうえで「防衛装備分野での同国の構造的な成長は既に目標を達成した。20年までには中国を抜き、アジア最大の武器輸出国になるだろう」と話す。
アジアや東欧で地政学的な緊張が高まっているのもこの活況の追い風となっている。
中国が南シナ海で強硬姿勢を強めているため、インドネシアやフィリピンなど同地域の新興国市場は防衛にますます専心しているが、価格面にはシビアな目を向ける。
韓国航空宇宙産業(KAI)やハンファ・テックウィンなどの武器輸出会社は、技術移転で契約に価値を上乗せすることも多く、極めて高い競争力を示している。
韓国はまた、地政学的、歴史的なしがらみがほとんどなく、中東やインド亜大陸、東南アジアで高まる武器製造への需要に、一部の近隣諸国よりも気兼ねなく応じることが可能だ。
■中国の武器輸出額は減少
英情報サービス会社、IHSマーキットのシニア防衛アナリスト、ベン・ムーアズ氏は「トラックや潜水艦をインドネシアに、通信機器はイラクに、戦艦は英国に――などと輸出できる多様な産業が韓国にはあり、幅広い国々へと輸出している」としたうえで、「一方、中国はパキスタンとスリランカに依存している」と語った。
韓国は昨年8億7100万ドル相当の武器を輸出、09年の7300万ドルから増えた。同氏は、16年の武器輸出総額は12億ドルを上回ると見込んでいる。
これに対し、中国の武器輸出額は、13年の19億ドルから昨年は16億ドルに減少した。IHSマーキットは、中国は来年には世界の上位10カ国から脱落するとみている。
ムーアズ氏は「韓国は資金の使途が適切だ。自国の虚栄のためではなく、戦略兵器に投資している」と話す。
韓国の防衛事業庁によると、同国はこの3年間で年間30億ドル以上の受注を受けており、今後数年で大きな収入が得られる見込みだ。
大砲などの通常兵器に軸足を戻したことも寄与した。通常兵器は、北朝鮮との対峙が続くなか、同国が数十年にわたり磨いてきた分野だ。
韓国の防衛について最近リポートを書いたチョイ氏は、ロシアによるクリミア侵攻も需要の急増をもたらしており、東欧や北欧諸国がハンファ・テックウィンと自走砲の発注交渉を行う順番待ちをしている状況だと述べた。