欧州大手に数百億円
パナソニックがオーストリアの自動車ヘッドライトの大手メーカー「ZKWグループ」の買収を検討していることが5日、分かった。パナソニック側は複数企業と交渉中で、有力候補の一つのZKW社には数百億円の買収金額を提示しているとみられる。
電機大手のパナソニックは、自動運転や電気自動車(EV)の普及を見据え、車の部品やシステム開発に本腰を入れている。販路や技術力を得るため、海外の車部品メーカーとの提携や買収の動きを加速させている。
欧州では現在、独メルセデス・ベンツやBMWなどが中心となって自動運転の開発競争が本格化している。ZKW社製の発光ダイオード(LED)のヘッドライトは遠くを明るく照らせるため、自動運転のカメラやセンサーが障害物や歩行者を検知するのに役立つ。製品は欧米の大手車メーカーに納めており、パナソニックは買収により欧米の販路拡大を狙う。この数年、ZKW社は右肩上がりで売り上げが伸びており、今年は9億ユーロ(約1100億円)を見込む。
パナソニックは昨年、スペインの車ミラーメーカーと資本提携し、今年は独車載ソフトウエア会社を買収した。【土屋渓】