子どもと女性を狙った犯罪を減らそうと警視庁は5日、有識者研究会の初会合を開いた。性犯罪などの事件で逮捕された容疑者と被害者の事件前の行動を分析するなどし、事件が起きた経緯や背景を検証する。来夏までに提言をまとめ、同庁が今後の対策に生かす。
同庁によると、昨年に東京都内で確認された刑法犯罪は約14万8000件だった。10年前の約6割に減少したが、子どもや女性が被害に遭った事件数は横ばいで、その多くが知らない相手に襲われていた。このため、研究会は面識のない人物に狙われた事件を中心に分析する。
研究会には犯罪心理学や刑事政策などを専門とする外部の識者7人が参加。実際の事件記録などを基に、容疑者がどんな場所で被害者に狙いを付けたかや、被害を防ぐ手立てがなかったかを検証する。
初会合で警視庁の山下史雄副総監は「弱い立場にある子どもや女性の安全が脅かされており、対策は喫緊の課題」と研究会の意義を話した。【古関俊樹】