アマゾンジャパンは12月5日、ボタンを押すだけで日用品をAmazonに注文できる端末「Amazon Dash Button」を日本のプライム会員向けに発売した。価格は500円(税込)だが、初回の注文代金が500円引きになるため“実質無料”で購入できる。
Wi-Fi経由でネットに接続し、ボタンに登録されている日用品を1プッシュで注文できるIoT(Internet of Things)端末。キッチンや水回りスペースの壁などに貼り付け、日用品の備蓄が切れそうなときにボタンを押すだけで注文できる。
「サントリー天然水」「フルグラ」など、商品ブランドごとに対応するボタンを用意。サービス開始時は、食料品、洗濯用洗剤、シャンプー、ペットフードなど41ブランドをそろえる。「お急ぎ便」「Prime now」などの配送サービスとの併用も可能だ。
利用するには、まずAmazonのスマートフォンアプリ(Android/iOS)を使い、ボタンとスマホをBluetoothで同期させ、ボタンを自宅のWi-Fiネットワークに接続。次にアプリ画面に表示されるボタンごとの対応商品一覧(例えば、飲料水のボタンなら「500ミリリットル24本入り」「2リットル9本入り」など)から、そのボタンに割り当てる商品を1つ選べば、初期設定が完了。以降はスマホを介さず、Dash Buttonを押すだけで注文できる。
ボタンを押すとスマホアプリにプッシュ通知が届くため、間違えて押した場合でもすぐにキャンセルが可能。ボタンを1回押すと、発注した商品の配送が完了するまでは何度押しても有効にならないため、誤って大量の商品が届くことはないという。端末のバッテリー寿命は数年間で、切れたときはAmazonが無償交換する。
Dash Buttonは、2015年3月末に米国で発売。当初の提携先は18ブランドだったが、16年12月時点で200ブランド以上に増え、Dash Buttonによる注文数は1年で約5倍に増えたという(15年3月〜10月と16年3〜10月の比較)。米Amazon.comのダニエル・ラウシュDash Button担当ディレクターは「人気ブランドだと、Amazonでの注文の半分がDash Button経由になっているほど好調だ」と話す。
Dash Buttonの“日本上陸”と同時に、メーカー向けサービス「Amazon Dash Replenishment」もスタート。家電製品とAmazonの注文システムを連携させるAPIを提供し、例えば洗剤や電球などの消耗品が切れそうになると自動でAmazonに注文する――といった家電の開発を可能にするという。すでにアイリスオーヤマ、エレコム、シャープ、船井電機、三菱レイヨン・クリンスイなどが対応機器の開発を始めているという。
「決まった日用品を買うために、週末の時間を奪われるのは楽しいことではない。人々の負担になる日用品の買い物を消滅させることが、私たちの狙いだ」(ラウシュ氏)
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