北風と太陽が勝負をした。あそこのババアのコートを脱がせたら勝ちな!北風はピューピュー冷たい風を吹かせた。ババアはさぶぅっ!となってしっかりコートを着込んだ。
続いて太陽の番。太陽は雲間から出てきてババアにやさしく微笑んだ。しばらくすると、ババアはあつぅっ!となってコートを脱いだ。
木枯らし吹く季節。冷たい風に吹かれるといつも北風と太陽の話を思い出す。有名な話なので誰もが知っていると思う。ババアは何かにつけて文句を言っているということをこの寓話は教えてくれる。
アンニョイな師走。一日中、コタツの周囲半径1メートルで生活している。部屋を出ると北風を吹きつけてくる家人がいるので、出たくない。
出たらブログのネタができるのだろうが、その分精神的なダメージを受けるので割に合わない。仕方なくコタツでネットサーフィンをしていると、意味なくこのブログにネガコメを付ける嫌がらせを受けた。
ワタクシも人様のブログに落書きばかりしているので、当然の仕打ちなのだが、毎度のことながら、こんなブログ書いてないで働け!といった感じのご指摘を頂戴している。ワタクシはいつも「おっしゃる通り!」と恐縮している。
というのも、名著「道は開ける」にも同じような失敗をした文豪トルストイの話が書かれている。以前も書いたが、トルストイの嫁は世界三大悪妻の一人に挙げられるほどの悪妻だった。ちょっと嫉妬深くてヒストリー持ちだったらしいのだが、旦那がトルストイだったので、世間様に知れ渡ってしまいかわいそうである。
トルストイは、ストレス発散に一番やってはイケナイことをやっていた。なんだかおわかりだろうか?そう、秘密の日記である。日記に嫁の悪口を書きまくっていた。で、結果は皆さまのご想像通り、嫁バレして日記はズタズタに破かれて焼かれてしまった。
それでも怒りの収まらなかった嫁さんは、仕返しの日記を書き始め、さらには、「誰が罪」という小説まで書いて、その中でトルストイを悪魔のように描いた。
ワタクシのこのブログも、いずれは嫁や姑にバレてズタズタにされる気がずっと前からしている。が、その時は潔く「誰が罪」ではなく「我が罪」と受け入れ、裁きを受けるつもりだ。
その日のために、いつ何どき嫁にバレてもいいように準備している。もし、このブログがある日突然消えていたら、そういうことだろうと思っていただければ幸いである。ワタクシがどうなっているかは、ご想像にお任せする。
D・カーネギー先生は、このトルストイ夫妻の失敗の原因を自分を良く見せたいという欲望が招いた悲劇だと分析している。そして、他人はそんなことに一切関心などないというツッコミも入れている。たしかに、ワタクシも正直、トルストイが悪いか奥さんが悪いかどうでもいい。
先生は、この二人の不幸な50年の夫婦生活からこんな結論を導いている。
私は、価値に対する正しい判断力こそ真の心の平和をもたらす鍵であると信じている。そして、私たちがいわば個人の金本位制━人生という尺度で見たときに絶対的な価値基準となるもの━を確立しさえすれば、私たちの悩みを半減させることができると信じている。
「道は開ける」152ページより引用
つまりは、自分の人生で何を最も重要なこととして考えるか?決めなさいよ!というワケだ。トルストイの場合は、これを自分がよく見られたいという自己顕示欲みたいなものに置いてしまった。なので、文豪として名前は残ったが、結婚生活は破綻していた。
嫁も同じような欲望を最も重要なことに設定してしまった。なので、超金持ちで子宝に恵まれたにも関わらず失敗した。しかし、確かに名前は残った。世界三大悪妻として。
ワタクシも自己顕示欲丸出しでブログを綴っているが、もちろん、この夫婦と同じ轍を踏む気はさらさらない。文豪として名前は残らなくても、ベンツに乗れなくても、出世しなくてもいい。有名ブロガーにちょっとなりたかったが、後々、黒歴史になる気がしてきたので興味がなくなった。
このブログは”コタツで時給100万円!アッフィリエイトでノミでもカスでも大儲け!なんでやんないの?今でしょ!”みたいな情報を掴んで始めたのだが、ガセネタだった。早いとこ損切りするのが正しい選択だ。
趣味はキャバクラ通いだったが、世界一の美女の娘氏と公園で遊んだ方が、金もかからず楽しいことに気づいたのでやめた。おっぱいを触りたくなったら、嫁か姑のを揉んでガマンする。そもそも遊びに行く小遣いもないが悩みもしない。
というのも、ワタクシは一人の旦那として父としてアンニョイな家庭を作ることを最も重要な価値基準と設定している。なので、家人とのトラブルには悩まされるが、それ以外の問題については、深刻に悩まなくて済むようになった。
このブログもその基準から言えば、バレる前に削除してしまう方が賢いのだが、ワタクシの試行錯誤をログとして残すことにより、悩める恐妻家の皆さまの助けになると思っている。
というワケでブログはまだやめない。もっと攻めるつもりだ。嫁にバレるその日まで。
名著「道は開ける」には、「北風がバイキングを作った」というスカンジナビアの古いことわざも紹介されている。
バルト海に冷たい北風が吹くように、トルストイが悪妻を持たなければ、不朽の名作は世に出なかったかも知れない。環境が良かろうが悪かろうが、自分の運命を受け入れない者は、ベッドに寝かされていても自分を憐れみ続ける。
北風を受けなければ船は前に進まない。ワタクシは嫁にいろいろバレそうになりながらも、ギリギリの所で踏ん張り続ける勇気を持ったバイキングでありたい。お宝をゲットするには危険を避けては通れないのだ。