【12月5日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、ロシア、中国、イランとの貿易で現地通貨の使用を容認する意向を表明した。トルコの通貨リラは7月のクーデター未遂後から下げ止まらず、大統領はテコ入れに必死になっている。

 6日にトルコのビナリ・ユルドゥルム(Binali Yildirim)首相がロシアを訪問するのを前に、エルドアン大統領は「われわれが輸入する場合には、貿易相手国の通貨で支払い、輸出する場合には、相手国がわれわれの通貨で支払う」と述べた。既にトルコ中央銀行に対し、この方針について指示したという。

 エルドアン大統領はまた、トルコ中部カイセリ(Kayseri)で盟友アブドラ・ギュル(Abdullah Gul)前大統領の名を冠した博物館の開館式に出席した際にも、国民に向けて「枕の下」に隠してあるユーロやドル、その他の外国通貨をリラに両替するよう繰り返し呼び掛け、「われわれの通貨リラは神聖なものだ」と聴衆に語った。

 トルコでは7月のクーデター未遂以降、リラ安に歯止めがかからず、11月だけで相場は10%以上も下落。対米ドルでは過去最安値を更新し続けている。こうした中、政府は国民がリラを買う動きが広がることで通貨安に待ったをかけたい考えだ。(c)AFP