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 イタリアで4日、上院の権限を大幅縮小する憲法改正案への賛否を問う国民投票があり、反対が優勢となった。進退をかけるとして賛成を呼びかけたレンツィ首相は「すべての責任は自分にある」と敗北を認め、辞意を表明した。マッタレッラ大統領に5日、辞表を提出する。反対の旗を振った「反既成政治」を掲げる野党に敗れた形だ。

 内務省によると、5日午前3時(日本時間同11時)時点で、反対が59・6%に対し、賛成は40・4%だった。投票率は67・1%。

 レンツィ氏は開票開始から1時間余りたった5日午前0時すぎに首相府で演説し、「多くの票を得たが勝つには不十分だった。物事に反対する政治は簡単だが、何かをなしとげようとする政治は難しい」と悔しさをにじませた。また「個人としての経験もストップする」と、政界引退とも受け取れる発言をした。

 これに対し、反既得権層を主張する野党「五つ星運動」は、「我々は市民の権利を守り、憲法を守った。古い政治は終わった。だれが国を治めるかを決めるのは国民だ。できるだけ早く総選挙を」と訴えた。

 イタリアは上下院が全く同じ権…

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