IT勉強会/コミュニティ運営 Advent Calendar 2016 の4日目は Gotanda.js について。
昨年エンジニアコミュニティを作って1年間いい感じに運営できたので、これから新たにコミュニティを立ち上げたいを思っている人の参考になりそうなことを書いていきたい。
Gotanda.js とは
Gotanda.js はその名の通り地域 JavaScript コミュニティのひとつで、僕(@hoto17296) と @pine613 くんを中心に数名のスタッフで運営している。
基本的には Slack での交流がメインで、3ヶ月に1回くらいのペースで勉強会も開催している。 先日 Gotanda.js #6 を開催して、#1 を開催してからだいたい一周年ということになった。
今回のイベントは、 発表も幅広い分野の内容が盛りだくさんですごく良かったし、 懇親会も盛り上がっていて飛び込み LT してくれる人も何人もいたし、 懇親会後まで残ったメンバーでは朝まで居酒屋で技術トークをしまくっていて、 とにかく最高だった。
コミュニティは雑なノリで始めるのがいい
Gotanda.js がどうやって生まれたのかというと、もともと五反田にオフィスを構える Gaiax 社と Mobile Factory 社が合同でエンジニア新人研修*1をやっていて、その打ち上げのときにいた何人かで
「Gotanda.pm*2 はあるのに Gotanda.js はないの???」
「作るかーーー」
「うぇーーーい 🎉」
みたいな雑なノリで始まった。「コミュニティを主催する」というと意識高い話っぽいかもしれないがそんなことはなくて、むしろ Gotanda.js の始まりは極めて意識が低かった。
しかし「ある分野について好きな人達が集まってワイワイしてたらコミュニティになった」というのはむしろ自然なことだと思っていて、別の上手く回っているエンジニアコミュニティの主催者に話を聞いたときも「飲み会のときのノリで作った」などと言っていたので、コミュニティって「そういうもの」なのだと思う。
テーマがちょっと広すぎるくらいでいい
YAPC::Asia というカンファレンスに参加したことがあるのだけど、あれは Perl のカンファレンスを謳っていながらも実際の発表内容はなんでもアリというヤバいカンファレンスだった。 だって 真空調理器が届かないので自作した話 ってなんだよ。俺はなんのカンファレンスに来たんだ。
まあなんか、テーマが幅広すぎるイベントに行くと自分の観測範囲内になかった技術の話が聞けておもしろい。
似たような話で、「JavaScript」というテーマで勉強会をやるとどうなるかというと、
- Web アーキテクチャの設計や実装の話
- 言語そのもの (ECMAScript や AltJS) の話
- WebAudio や WebVR などのブラウザ API の話
- Electron でデスクトップアプリケーション作る話
- Node.js や JavaScript 製ツールの話
- AWS Lambda やサーバレスの話
- ChatBot や IoT の話
などなど、JavaScript という言語がいたるところで活用されているが故に内容の幅が広がりすぎる。 テーマによる制約はあって無いに等しく、事実上なんでもアリみたいな世界観になる。
テーマが幅広いと「詳しい人」と「詳しくない人」という構図が薄くなる。 例えば、フロントエンドのアーキテクチャに詳しい人でも Electron の話を聞いたら学びがあるし、その逆もまた然り。 「誰々が詳しいからすごい・偉い」ではなく、各々が得意分野を持ち寄ってきてフラットに交流できる。 すると敷居が下がってきて JavaScript 詳しくない人でも参加しやすくなる。
意識してそうしたわけじゃないけど、気がついたらそういう構図になっていた。
だからゆるくコミュニティを盛り上げていきたいのであれば、これくらいの幅広さがあったほうがむしろいいんじゃないかと思う。
勉強会は懇親会がメイン
これはけっこう意識してたことなんだけど、発表はメインコンテンツではない。
以前とある勉強会で発表したときに、質疑応答の時間も懇親会もなく解散する、ということがあった。 他の発表者に訊きたかったことがいくつもあったし、自分の発表に対しても参加者からフィードバック貰いたかったのに、一切その余地を与えられずにモヤモヤした気持ちで帰らざるを得なかった。
あれ以来思っているのは、懇親会のない勉強会なんてありえない。 懇親会こそが勉強会のメインコンテンツであり、そこから勉強会がはじまると行っても過言ではない。 発表だけ聞いて帰るなんてもったいなさすぎる。 発表だけ聞いて帰ると「なんか面白かったね」だけで終わってしまう。 「自分の考えたことを言葉に出してみてフィードバックをもらう」ということをやらないと学びにならない。
勉強会を主催するからには参加者全員に何かひとつでも学びを得て帰ってもらいたいし、だからいつも「どうやったら懇親会に残ってもらえるか」を考えてイベントを作っている。
ピザを安く大量に仕入れる Tips
懇親会のときのツマミとしてはやはりピザが安定感がある。片手で食べられて便利だし、寿司のネタだけ食って帰られる事件とかが起きない。
ピザって勉強会の規模によっては相当な枚数を注文するので結構高く付くのだけど、そういうときはドミノ・ピザの「一枚買うともう一枚無料」という狂気じみたキャンペーンを使うととても安く買えて便利。
「お持ち帰り限定じゃん・・・取りに行くの大変すぎるわ・・・」と思うじゃろ?
タクシーで取りに行けばいいんじゃ。
会場から店舗までの距離にもよるけど、イベントをやるような人が集まる街であればだいたい近くにドミノ・ピザはある。 数十人規模の勉強会のピザの枚数であれば、タクシー代を考慮に入れても取りに行ったほうがだいぶ安くあがる。
これ IT 勉強会に限らずあらゆるイベントを開催するときに使えるので知っておくと便利。
謝辞
ごたじぇー運営スタッフおよびいつも参加/発表してくださってる皆さんありがとうございます 🙇
これからもよろしくお願いします!!!
*1:ちなみに僕が JavaScript 講師として pine613 くんや nekobato くんに JavaScript を解説するという、いま思うと明らかにおかしい構図だった。
*2:五反田の Perl コミュニティ http://gotanda.pm.org/