THAAD配備で中国が韓流締め出し 日本アニメは大ヒット

【北京聯合ニュース】米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備に反対する中国で、韓国企業や韓流が打撃を受けている。

 中国メディアは、自国内で韓国のドラマ、映画、番組など韓流コンテンツを締め出す「禁韓令」が出されたと報じている。

 中国の国家新聞出版広電総局や外務省は禁韓令についてしらを切っているが、韓国芸能人の中国番組、広告、映画への出演が事実上中断されたことが分かった。

 北京の消息筋は「さまざまなルートを通じ確認した結果、禁韓令は事実のようだ。すでに中国の放送局では韓国芸能人の出演はもちろん、韓流スターが登場する広告もなくなった」と述べた。中国企業が政府の顔色をうかがい、韓流スターの公演などの申請を放棄するケースも相次いでいるという。

 現在、韓国のドラマや映画、韓国芸能人は事実上、中国から締め出された状態であり、中国の映画館でも韓国映画は上映できない。中国メディアで頻繁に報じられていた韓流スターのニュースも急減した。

 中国メディアは、禁韓令の影響で9月以降、韓流スター42人の出演と韓中合作ドラマ53作品の放送が禁じられ、中国ドラマからも韓国芸能人が姿を消したと報じている。

 しかし、尖閣諸島問題をめぐる対立に加え、南シナ海問題に介入し、THAAD配備を検討している日本に対しては中国が制裁を加えていない。日本の芸能人や映画、企業が不当な扱いを受けているという報道もみられない。

 業界関係者は「韓国はTHAAD配備問題だけでも全方位的な圧力がかけられている。日本は中国に対し韓国よりも多くの問題をもたらしているが(日本への)制裁の動きはない」と述べた。

 中国で韓流が窮地に立たされているのとは裏腹に、日本の長編アニメーション映画「君の名は。」は大ヒット中だ。

 中国で2日に公開された同作は、初日の観客動員数が224万人を記録した。2Dアニメ映画の初日の興行記録としては過去最高となった。

 現地の芸能関連企業の関係者は「韓国の場合、中国と親密な関係を維持していたが突然、THAAD問題で対立し、芸能産業が急激に打撃を受けた。日本の場合、中国との対立の歴史が長く、尖閣諸島問題やTHAAD配備が本格化した場合は韓国に劣らぬ被害を受ける可能性もある」との見方を示した。

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