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かつての樽酒のお話、創業者の樽酒への想い。吉野杉の樽酒の味わいなどをご紹介いたします。
むかし、日本酒はすべて樽酒でした。
樽酒へ込めた創業者の想いが生んだ日本初の瓶詰め「樽酒」・・・
かつて・・・清酒はすべて杉樽の中で育ち、樽で運ばれ樽で売られていました。
その頃の日本酒はすべて樽香の薫る樽酒でした。
後に一升瓶を代表とする瓶入りが常識となって普通の日本酒からはいつしか樽の香りは一掃されてしまいました。
杉樽は高価で大量生産に向かなく、木が酒を吸って不経済。温度管理も難しく清掃も困難。樽詰めしてからの保存状態や期間によってはとても渋味が強すぎる味わいへ変化してしまう場合もあるというのが理由でした。
長龍酒造の創業者「飯田弟一」は、日本人の郷愁を誘う、かつての良質な「樽酒」を味と香りのバランスが一番いい状態で瓶に詰め、手軽に楽しんでいただくことができるのではないか・・・との想いから、上質な樽材の選定や確保に向けて奔走し、その継続のために樽材の製造者組合を結成し援助。そして、 諸々の研究に研究を重ね、製作機械を考案し、商標「吉野杉の樽酒」やラベルにいたるまで、すべてに渡って独創的発想を持って商品化に情熱を燃やしました。
完成した「吉野杉の樽酒」は、長龍酒造設立の翌1964年、日本で最初の瓶詰め樽酒として、発売するに至りました。
『壱ヶ年を回顧して見ると、その製造方法の根本的な着想と研究、調熟機及壜詰方法の大改革に伴う機械製作の考案、商標吉野杉の樽酒及そのレッテルと意匠併にキャッチフレーズの工夫、樽丸組合の結成とその援助及将来等一年の創意工夫は吾ながら勤めたりと思う、・・』故弟一会長手記より 。
創業者「飯田弟一」が目指したのは、「静かさとのどかさ」。
当時自ら綴った商品の案内冊子で、『・・・樽香の持つ静かさ、のどかさは、えも云えぬ”入神の逸品”であるとしみじみと味あわしてくれます。』とその味わいを表現しています。
酒樽を作る人
新発売当時の経済誌
創業者手記
よみがえる杉香への郷愁
吉野杉の樽酒のこだわり
うまい樽酒は、まず樽材の選定からはじまります。
樽材として最適且つ最高級とされている、奈良・吉野産の樹齢約80年を超える吉野杉の『甲付』と呼ばれる、赤味と白太の境目部分だけを使用した四斗樽を選びその中で原酒を程良く馴染ませます。
樽熟成において、樽のエキス分と渋味が程良く調和し、 まろやかな旨みとなった頃合いを鋭く見極めるには、長年培った経験と技術が欠かせません。 長龍では熟練の樽添師が、その清澄な味わいと香りの絶妙なバランスを守り続けております。
しかしながら、このようにして造った樽酒も、瓶燗後そのままにしておき ますと着色がどんどん進み良い香りもいつしか消え去ってしまいます。
そ こで登場したのが「パストクーラー(急冷装置)」です。
瓶詰め後に、急冷することで、樽の香りと味わいを封じ込めることができるようになりました。
燗酒と燗ざめ
「吉野杉の樽酒」味わいと料理の相性
吉野杉の樽酒は和・洋・中の味付けを問わず、香辛料を使った料理や濃い味付けの料理にも合います。
焼鳥・うなぎの蒲焼き・寿司など幅広くお楽しみいただけます。