竹箒日記 | |||
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2016/11/24 : 無題。(きのこ)■ |
エクステラ発売から二週間! おかげさまで大成功と言える結果になりました。応援、ありかどうございました! アンケートもドシドシ届いていますので、良かったところ、悪かったところ、合わせて貴重な意見として参考にさせていただきます! しかし、いつの間に二週間も経っていたのか…… おかしいな、リボンとかベルとか星とか赤い靴を集めていたらあっという間だったぜ……え? 巷では次のトナカイライフが始まろうとしているだって? ハハハ、そんな馬鹿な。いかに武内が「幼女が描きたい」パワーを貯めていたからって、まさかそんな、オルタでサンタでリリィみたいな、属性ドカ盛りの配布サーヴァントなんて出てくるワケないじゃないですかぁ〜! A.もう出る ―――マジか。 ◆ さて。あと数日でJ・D・A・S・Lという焦土兵器によってみんなの頭は 真っ白になると思われるので、その前にEXTELLAの裏話など一つ。 (ネタバレ含むので、まだ未プレイの方はこの先は自重してくだされ) 『Fate/EXTRA CCC』が無事発売した直後、マーベラスさんから次はぜひアクションゲームでやりたい、というオファーをいただいたのがそもそもの発端です。 ストーリーメインのRPGではなくACTなら自分の作業量も少ないだろう、と了解し、 漠然と想定していたムーンセルと対になるアーティーファクトの話を持ってくる事にしました。 問題はヒロインです。 ネロと玉藻の前、無銘はもう『主人公と共に育つ』主役として卒業した感があります。 ゲームがACTならストーリーメインではないのでその方がやりやすいのですが、やはりインパクトが足りません。 新しいシリーズには新しいヒロインが必要。 という事で、EXシリーズ三人目のメインヒロイン(無銘含まず)としてアルテラが誕生しました。 ACTゲームになるなら最後のボスは巨大ボスがいい。 でも巨大ボスを専用で作る予算はない。なら巨大ボスなヒロインに登場してもらえば全て解決さ! そんて軽い気持ちで巨神アルテラは誕生しました。 ネロと玉藻の前はエンジンが暖まりきっているので『普通のサーヴァント』では二人の強さに負けてしまう。 やるからには唯一性のあるヒロイン、ネロと玉藻とは絶対に被らないヒロインに、という目標にも合致していたのです。 ネロと玉藻の前ルートのシナリオはあくまでACTゲームとして作られていますが、 アルテラルートのシナリオが長いのは、これがアルテラにとっての『EXTRA』だからです。 主人公との関係性、聖杯戦争に代わる旅が『セファール虚説』だったんだ、とお考えください。 ちなみにFGOのアルテラはアッティラの英霊化として桜井さんに担当してもらいましたが、 巨神アルテラと英霊アルテラ、アルキメデスはEXシリーズのものなので奈須担当。 ……なので当然、SGとかちゃっかり設定されているンだ……恥ずかしいのをね……フフフ……早くパニッシュしてぇよ……志貴さんって呼ばれてぇよ……いやこれは別の困ったイケメンの魂の叫びだったな……2016年クリスマスもなんとか生き延びてほしい……極悪なピックアップがくるからな…… でもこればかりは自分の一存ではなんともならないので、深く静かに潜行してチャンスを待ちたいと思います。 そんなアルテラですが、企画の段階では英霊アルテラの立ち絵しかありませんでした。 しかしどうしても巨神アルテラも立ち絵が欲しい。しかし今さら追加枠はねじ込めない。一度決まった企画書は絶対である。でも言うだけはタダだからマーベラスさんにお願いしてみよう、と打診したらマーベラスさんも何とか予算を増やしてくれて、後はワダアルコさんのスケジュール次第となりました。 しかしこの頃、アルコには地獄のFGO作業も始まっていたのだった! 「いかに鉄腕アルコといえどこれは……」と発注書をメールしながらも苦悩するきのこ。 「申し訳ありませんが……」と翌日に返信してくるワダアルコさん。 さすがに無理だよな、とメールを読むとあら摩訶摩訶。 「申し訳ありませんが、巨神だからといってアルテラを巨乳するのはよくないと思います。 いえ、大きなおっぱいにしたいのはホント山々なのですがアルテラさんはダメです。 hukeさんのあのデザインはスレンダーだからこそ美しいのです。なので体系は変えずにふくよかな体つきにしたいと思います。具体的にはこう。ラフを添付しますね。やっぱり巨女ならペタン座りですよね。それとも奈須さんは体育座りが好みですか? やだー、このヘンターイ☆」 「んー、なに言ってんだこのモンスター?」 いくらなんでも仕事を振りすぎたか。 そう反省しつつも、ワダさんのコメントは説得力に満ちていました。 hukeさんのデザインは完璧すぎて、一点たりとも引くところも、足すところもなかった。 『どんな理由であれアルテラを巨乳にしてはいけない』 そんな強い意志でシナリオライターとイラストレイターは心の握手を交わしたのでした。 「さすがアルコだ何ともないぜ。あと黙っていたけどエンディングではロリ化もするんだ。それもよろしくな。あとナース服も着せたいからそれもよろしくな」 今ははるか昔、2015年の冬の話である。 ◆ 人間と怪物の交友は、奈須きのこにとって常に魅力的なテーマです。 『空の境界』も『月姫』もこの例に漏れません。 怪物を人間として愛するのか。 怪物を怪物のまま愛するのか。 その怪物の心情によって答えは変わるもので、 どちらが正解という話ではありませんが、 アルテラとあの主人公は、互いのありのままの姿を受け入れました。 未明編はアルテラの話でもありますが、『あの主人公』の成長と結末までの話でもありました。 存在のひな形である『魂(本質)』と、 時間と経験によって育まれた『精神(感情)』と、 知覚される事のない習慣である『肉体(本能)』。 空の境界でも扱った『肉体に宿る人格』が何を思い、何を残そうと考えたのか。 最終ルートである金詩編をクリアしてからもう一度未明編のラストを 見直してもらえたのなら、ライターとしてこれ以上嬉しい事はありません。 |