タクシー 速度落とさないまま病院に突っ込んだか

タクシー 速度落とさないまま病院に突っ込んだか
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3日、福岡市博多区の総合病院にタクシーが突っ込んで、10人が巻き込まれ、3人が死亡、1人が重体となっている事故で、タクシーは、少なくとも現場のおよそ50メートル手前から速度を落とさないまま病院に突っ込んだと見られることが、警察への取材でわかりました。警察は事故直前のタクシーの走行について詳しく調べています。
3日午後5時すぎ、福岡市博多区にある総合病院「原三信病院」の東館1階にあるラウンジに、タクシーがガラスを破って突っ込み、室内の壁にぶつかって止まりました。

この事故で、いずれも福岡市博多区の、花田盛幸さん(44)と妻の美佐代さん(44)、それに、遠藤一行さん(53)の3人が死亡し、女性1人が意識不明の重体となっています。このほか6人がけがをしました。

警察は、個人タクシーの運転手、松岡龍生容疑者(64)を逮捕し、過失運転致死傷の疑いで調べています。

警察によりますと、タクシーは、少なくとも現場のおよそ50メートル手前の交差点付近から速度を落とさないまま病院の建物に突っ込んだと見られるということです。

松岡容疑者は、調べに対し「ブレーキを踏んだが止まらず、エンジンブレーキをかけようとしたが減速しなかった」と供述しているということで、警察は事故直前のタクシーの走行について詳しく調べています。

タクシーはどう動いたか

タクシーが突っ込んだ病院の、東館と隣接する本館などとの間を通る道路は、現場の手前付近で、直角の曲がり角が連続する「クランク」の状態になっています。

警察の調べなどによりますと、タクシーは、少なくとも現場の南およそ50メートル先の交差点付近から、ほぼまっすぐに進み、現場手前の曲がり角を曲がらず、速度を落とさないまま建物に突っ込んだと見られるということです。

亡くなった人と同じ団地に住む人は

死亡した遠藤一行さんが住む団地の80歳の自治会長は、「遠藤さんは6年ほど前から入居していました。電動車いすに乗っていて、おとといぐらいにもエレベーターで会ってあいさつをしました。亡くなったと聞いて、ただびっくりしています」と話していました。

遠藤さんと同じ団地の同じ階に住んでいる65歳の女性は、「遠藤さんは奥さんと2人暮らしで、車いすで生活していました。奥さんもつえをついて生活していました。週2回のゴミ出しのときに会うくらいでしたが、もの静かなご夫婦で、遠藤さんが亡くなったと聞き、とても驚いています」と話していました。