沿岸掃除隊 |
海は誰のもの?釣りと漁業釣りを始めて間もないMさんから、こんなお便りをいただきました。「初めまして。最近釣りを始めたばかりですが、先日海岸でカレイ釣りをしようと思い、準備を始めてまもなく漁師に怒られました。まるで密猟者扱いの罵声を浴びました。確かに近くにサケの物と思われる網は仕掛けてはありましたが、邪魔になる距離ではないと思いましたが、漁師以外立ち入ることも出来ない場所なんて(海岸)あるのでしょうか。専門的な法律も交えて、海釣りを始めるに当たって気をつけなければいけない規則をお教え頂けませんか」 さぞ驚かれたことと思います。私も不愉快な思いをしたことは一度ならずありますし、疑問に感じたこともあります。一度この問題とルールを考えてみましょう。 海は誰のもの?海は一体誰のものなのでしょうか?国有らしいということは知っていましたが、考えてみると、埋め立て事業などでは、国が漁業組合に補償料を払っています。ということは漁業者のもの〜うん?分からなくなりますね。ということで、ちょっと調べてみますと、これには漁業法という法律が絡んでいることが分かりました。以下資料を書き出しますと… 昔は地元の漁師達あるいは免許を受けた網元のものだった やがて漁業権制度が発足 その後幾たびかの改正を経て現在に至る 河川の漁業権は分かりやすい 魚は誰のもの?組合同士あるいは国同士のトラブルは、いわゆる漁業法や各種の協定を元に裁かれているようです。遊漁(レジャーの釣り)と言う言葉は法律用語なのですが、遊漁者に関する法的な規制等は、ちょっと調べた範囲ではよく分かりませんでした。あるいは細かく法制化されていないのかも知れません。そこで参考になる事例を調べたところ、ダイバーと漁業者とのトラブル例がありました。※1997年2月/宮古島ダイビング事業組合がダイビングフェスティバルの時に配布したチラシより、以下原文のまま 漁業権ってなんだろう? 誰も知らない漁業権 漁業権の侵害は親告罪 受忍料・迷惑料 海面利用料・入海料 協力金・施設使用料 さいごに 宮古島ダイビング事業組合 なるほど〜確かに一理あると思います。ダイバーと釣人とは遊び方も海の利用の仕方もずいぶん違いますから、一概に同じ立場であるとはいえませんが、気分的には賛同できます。 しかし、この手の話は政治的なことが絡むことも多いので、一概にいずれの立場を容認あるいは支持できるものではありません。また人間は感情の動物ですし、団体としての発言と個人としての行動に大きな違いがあるのも事実です。 例えば、ダイバーは生物は採取しない、とこのビラでは書かれています。しかし私自身ボンベを背負ったダイバーが、サザエを山ほど担いでいるのを目撃したことがありますし、アワビをいくら捕ったなどという話もくさるほど聞いています。釣人のゴミ放置と同じで、心ない一部の人間の行動で全体が評価されます。 漁業権の侵害どうやら問題は海に立ち入ることではなく、漁業権を侵害するか否かということにあるようです。専門的には… 漁業権の侵害について
以上のように、権利者の漁業を直接妨害することが明らかな場合は侵害行為となります。ただし、侵害行為があった場合でもこれを「容認」するか「排訴」するかは権利者に任されています。分かりやすく説明すると、例えば、第1種共同漁業権の内容となっているアワビ・サザエ・イセエビなどを漁業権者である組合に断りなく捕れば、漁業権の侵害となるということです。また「潮干狩」などは第1種共同漁業権である貝類を採捕しますが、権利者が受認の範囲内(料金を徴収する)として許している場合が多いようです。 なお参考までにお話ししておきますと、淡水における第5種共同漁業権については、指定された魚種(アユが最も有名です)を釣る場合には、遊漁規則に基づいた「入漁料」といったものを組合に支払う必要があります。しかし、指定されていない魚種を釣る場合には「入漁料」を支払う必要はありません。 ちなみに、現在のところ、海面で魚を釣る場合には、「入漁料」といったものを支払う制度はありません(波止の清掃協力金や海釣り公園の入場料は除く)。しかし、近年、重要視されている水産資源の問題によって、将来は、海釣りにおいても「入漁料」や「ライセンス」といったものが導入される時代が到来するかもしれません。 ―漁業者と遊漁者の立場の違い―
ふむふむ、こうやって見ると私たちヘボ釣り師が漁業に与える影響というのは、限りなく低いですから(残念ながら〜大笑い)まず問題にならないようです。つまり操船や操業の邪魔にならないようでしたら、法的には怒鳴られる筋合いなどない!と言うことになります。お上はずいぶん遊漁者(釣人)には甘いのです。もっとも貴重な税金で、よく分からない埋め立てや河口堰を作り続け、魚はもちろんのこと、そこで生活する漁師や、庶民釣り師をどんどん閉め出していますが。 これならわかる守れるルール以下の文章は福岡県行政のサイトから抜粋しています。他県とは条例も異なるでしょうから100%参考にならないかも知れませんが、要領よくまとめられており、釣人には分かりやすいものです。 本県の海は漁業生産の場としてはもちろんレジャーの場としても利用されています。遊漁者(遊びでの海面利用者を含む)の増加に伴って、漁業者との間のトラブルも多くなっています。そこで、海浜で遊ぶ場合、漁業者や他の遊漁者および地元の住民に迷惑をかけないように次のことを守ってください。 (1)遊漁者(漁業者以外の人)の漁具漁法
(2)貝類や藻類をみだりに採捕しないようにしましょう。 (3)海釣りをされる人は次のことを守りましょう。 (4)その他の海面利用について 福岡県水産林務部漁政課編 特に罰則などを羅列したものではありませんが、釣人が守るべき心得として分かりやすく明快ですね。いわゆる常識というべき範疇を守れと言うことです。 尊重しよう「おらが海」こうやって見てみるとよほど不心得な釣人でない限り、トラブルを起こすことはないでしょうし、法的にどうのと言われることもないようです。しかし冒頭に上げたMさんのような事例はかなりあると思います。私自身不愉快な思いをしたこともありますから、Mさんの気持ちもよく分かります。確かに目くじらを立てる漁師さんもどうかと思いますが、干してある網を平気でずかずか踏んで歩く釣人や、ゴミはほったらかし、関係者の駐車場に大きな顔で車を止めっぱなしという釣人が多いのも事実なのです。その漁師さんも、おそらく釣人との間で不快な経験が幾度もあったのでしょう。 漁師さんの大半は、先祖の代からその海で生活してきた人たちです。私たち都会人とは、ずいぶん土地に対する想いや関わり方が違うと思います。法律はどうのこうのといっても海は彼らの海「おらが海」なのです。お前達だけの海とは違う!などというのはナンセンスです。所詮釣りは遊びです。例え不当と思われる扱いを受けたとしても、ぐっと我慢の子で引き下がる方が格好いいのではないのでしょうか。 釣り師にも色々いるように、漁師さんにも色々います。喰ってかかるだけの了見の小さい人だけではありません。海や釣りのことを色々教えてくれる度量の広い漁師さんや親切な人は一杯います。願わくばそういう人たちに巡り会いたいですね。 この記事制作については、 以下のサイトの記事を参考あるいは
一部引用させていただきました。ありがとうございます。 |
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