この一連の動きを先駆的に取り組んだのが橋下知事時代の大阪府であるという見方がある。確かに、当時からの財政状況の厳しい大阪府において、橋下前知事は公務員改革とりわけ職員の給与カットに力を注がれた印象がある。そして、未だに大阪府職員の給与水準は、明らかに他の都道府県と比較して低いという印象をもっている。多くの人の認識も同様ではないだろうか。
ところが、その認識が明らかに誤りであることを記した総務省の資料が目にとまった。
平成27年地方公務員給与実態調査結果等の概要
1-(3)都道府県のラスパイレス指数の状況
ラスパイレス指数とは、国家公務員との比較で地方公務員の給与水準を表す指数である。国家公務員を100とした時に、それぞれの地方公務員の給与がどのぐらいの数値になるかを表しており、指数が高いほど給与水準が高いことを意味する。
上記の表は驚愕である。平成27年4月時点で、大阪府は47都道府県の中で堂々の第12位。しかも、18位の東京都を上回る給与水準となっているのだ。横に小さく平成26年4月時点での指数・順位を記載されている。平成26年度では指数は100を切り、順位も下位となっている。
実は、人事委員会勧告などをテコに、大阪府は給与削減を緩和しているのだ。結果として、相対的比較した時に、給与水準が上がっている状況が表から見てとれる。
確かに、給与削減が延々と続く様であれば、職員のモチベーションの低下が懸念される。給与水準は低ければ良いというものではない。ただ、大阪府財政が大きく改善し、結果として給与水準が上がるのであれば良いが、大阪府財政は決して好転しているわけではない。
何よりも声を大にして言いたい事は、この表・この指数を見ずして「これから東京都も、かつての大阪府の様な改革を進めていく事になる」なんて軽々に報じられるべきではないということである。この間のマヤカシの大阪府の改革を東京都が真似るのか?と言いたくなる。
一方、大阪市のラスパイレス指数はどうなのだろうか。
1-(4)政令指定都市のラスパイレス指数
都道府県と同じ出典元から表を出してみた。堂々の20政令市内の第20位である。しかも、指数は97.2。都道府県のランキングに照らし合わせてみれば45位のレベルとなる。比較してみて極めて低水準であると言える。また、大阪市の財政はこの間確実に改善してきているのに…である。
指数を見て、良い悪い。だから、これからどの様に対応するという話は少しおいておきたい。
事実を事実として、まず受け止めておきたい。
大阪府職員の給与水準は決して低くない。
ラスパイレス指数も100を超え、東京都職員の水準すら上回る状況にあるのだ。
FOLLOW US