【社説】国家的危機、朴大統領の4月退陣明言で乗り越えられる

 朴大統領が自ら辞任することを表明し、与党が大統領の退陣を党の方針として定め、退陣の時期を話し合う協議を野党に呼び掛けているにもかかわらず、野党がこれを拒否しているのが今の状況だ。野党が協議に応じれば大統領退陣の時期はむしろ前倒しされる可能性も出てくるはずだが、それでも最初から協議を拒否する理由は「与党との妥協によって問題を解決した」と見られたくないからで、それはソウル都心などで大統領への抗議行動を主導する勢力の顔色をうかがうことに他ならない。実際に2日の弾劾訴追案採決に反対している国民の党は厳しい批判にさらされており、党のホームページが一時的につながりにくくなるなど嫌がらせも受けている。もちろん一般国民に責任はないが、責任ある政党、あるいは政権獲得を目指す政党であれば、このような国民の不満を吸収し、国会でこれをうまく反映させることができなければならない。ところが最大野党の共に民主党はデモ勢力の顔色ばかりをうかがい、実現の見込みなどない2日の弾劾訴追案採決の方針を変えようともしない。これでは今後、共に民主党は混乱の収拾といった言葉を使う資格さえなくなるだろう。

 与党のセヌリ党が大統領退陣を党の方針として定めた以上、朴大統領の早期退陣は今や動かせなくなった。今後の鍵は大統領がセヌリ党の求めに応じ、9日までに退陣の時期を明言するかどうかだ。ただ朴大統領としては「進退問題は国会の決定に委ねる」と国民の前で語ったものの、「4月退陣」に野党が合意していない点を口実に明言を避ける可能性もある。しかし今後数日の間に野党の態度が変わらないとしても、それでも朴大統領は国民の前で「4月退陣」を表明し、政治の混乱に終止符を打つべきだ。国会が推薦する挙国首相に大統領選挙までの国政全般を委ねる意向を同時に表明することも必要だ。

 ただそれでもおそらく野党は攻撃の手を緩めず、都心などでの抗議行動を続けるだろう。しかし大統領が辞任の時期を明言した後も抗議行動が行われた場合、それはもはや一般市民の純粋な思いから出たものとは言えなくなるだろう。国民が朴大統領に下野を要求し、それに応じて大統領が下野を明言した後も抗議行動が続くとなれば、それは何か他の意図があると考える以外にない。その時には分別ある国民は間違いなく行動を自制するだろう。要するに大統領が退陣の時期を明言すれば国家的危機は山を越えるが、明言しなければ9日の弾劾訴追案採決は避けられないということだ。

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