【社説】国家的危機、朴大統領の4月退陣明言で乗り越えられる

 韓国与党セヌリ党は1日の議員総会で、党として朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に来年4月末の退陣を促すことを正式に決めた。先日与野党の元国会議長を含む政界の重鎮らが朴大統領に4月までの退陣を求めたが、今回セヌリ党はこれに歩調を合わせた形だ。退陣後に予定される大統領選挙の日程や混乱の収拾を考慮すると、4月という時期にはそれなりの根拠があり、セヌリ党内でも合理的なものとして受け入れられつつあるのだ。またそうなれば憲法によって60日以内と定められている大統領選挙は6月末に行われることになる。セヌリ党が主張するこの「4月退陣・6月大統領選挙」の方針は、党内主流派の親朴と非主流派の非親朴に関係なく満場一致で決まった。これまで朴大統領の弾劾に賛成の方針を示してきた非親朴は「9日に予定されている弾劾訴追案採決の前に、大統領がこの方針を明確に受け入れれば、弾劾に加わるべき理由はない」との考えをすでに表明している。非親朴が弾劾に反対すれば、野党だけで弾劾訴追案の成立に必要な議席数(国会議員の3分の2)を満たすことはできない。つまり弾劾は政治的にも、あるいは現実的問題としても無意味なものになるのだ。

 これに対して野党は弾劾を進める方針を変えていない。共に民主党と正義党は2日、国民の党は5日と弾劾訴追案採決の時期については一致していないものの、野党3党は一致して弾劾手続きを引き続き進める考えをすでに表明している。しかし朴大統領が9日までに「4月退陣」を明言すれば、野党が弾劾訴追案を提出しても可決される見込みはない。ただし野党はたとえ成立はしなくとも、あるいは単なるパフォーマンスになったとしても採決は行うべきと考えている。そうなればセヌリ党に混乱の責任を押し付けることができ、また政治的にも得るものが多いと考えているからだ。

 セヌリ党は大統領退陣の時期について野党との話し合いを求めているが、野党3党はこれに応じない構えを崩していない。ただしもし野党が交渉に応じれば、大統領退陣の時期は4月ではなくある程度見直される可能性も出てくるだろう。しかし共に民主党と正義党は最初から交渉そのものに応じる考えはないようだ。国民の党は「弾劾と対話は並行して進められる」としてはいるものの、何についての対話かは明言していない。

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