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アバウト映画公園

アバウト男が最新作から旧作まで映画の感想をゆるくアバウトに書き綴る映画ブログ!たまに気になるドラマも!

ブレアウィッチ(続編)【ネタバレ/映画感想/評価】1作目を舐めてる人にオススメ!まさかのアトラクション化!

洋画 【ハ行】 2016:劇場鑑賞 洋画 評価:★★★

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あらすじ:アメリカのメリーランド州にあるブラック・ヒルズの森で、魔女をめぐるブレア・ウィッチの伝説を追うグループが消息を絶つ事件が発生。それから20年後、グループの一員だった姉の消息を確かめようとするジェームズ(ジェームズ・アレン・マキューン)は、カメラを持って友人のピーター(ブランドン・スコット)や映画学科で学ぶリサ(カリー・ヘルナンデス)とブラック・ヒルズの森に潜入することに。地元に暮らすレイン(ウェス・ロビンソン)らの案内で森に入る一行だが、思いも寄らない恐怖が待ち構えていた。(シネマトゥデイ)

 

製作国:アメリカ 上映時間:90分 製作年:2016年

監督:アダム・ヴィンガード 脚本:サイモン・バレット

キャスト:ヴァロリー・カリー / ジェームズ・アレン・マキューン / ウェス・ロビンソン / ブランドン・スコット / コルビン・リード / カリー・ヘルナンデス 等

上映館:「ブレア・ウィッチ」の映画館(上映館)を検索 - 映画.com

 

元祖POVホラーが進化を魅せた!

『魔女伝説』のドキュメンタリーを撮ろうと森に入った学生3人が消息を絶ち、その1年後に彼らが撮影していたビデオテープが発見される。それを編集し1本の映像にしたという設定の、ファウンド・フッテージホラー【ブレアウィッチプロジェクト】。

制作費600万という低予算にも関わらず、興行収入255億の大ヒットを飛ばして話題となり、同時にPOV(主観映像)という手法を世に知らしめた作品だ。

その正統派の続編が17年の時を経てこの2016年【ブレア・ウィッチ】として登場!世間的な評価は冷たいが【ブレア・ウィッチ・プロジェクト】は個人的には嫌いじゃないので、このために1作目を観直し楽しみにしてました。

本来【ブレアウィッチ2】という2000年に作られた2作目があるんだけど、あれは別物級にクソ映画だったので、実質本作が2作目という立ち位置になります。今回ラストの真相は書いてないが、いつも通りちょこちょことネタバレしています。感想は、

 

とにかく『驚かし』がエグ過ぎて疲れた…

ブレア1作目のテーマはとにかく森で起きる怪現象や彼らを襲う恐怖の出来事をビデオカメラの主観映像を用いて『リアル』に追体験させる映画だったのに対し、

本作は1作目の『題材と手法』を活かしながらも、1作目の弱点だった『怖さ』の部分を『お化け屋敷』的な『驚かしの怖さ』を取り入れて補い、一種のアトラクション的なホラーへと昇華させた作品だった。

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ブレア1作目以降『POV』の手法も腐るほど流行り、観る側もそれに慣れてしまった現在において、この方向転換は冷たい評価を下されているブレア1作目の『続編』としてアリなんじゃないかな。「いや〜だって、こういう方向しか無いっしょ!」という監督アダム・ヴィンガードの割り切りぶりが伝わって来る。

『びっくり=怖さ』かと言うと疑問だが、やたらめったら襲い来る『驚かし』演出の連続!「来る!来る!」と分かっていながら観続けなければいけないハラハラ感。監督が仕掛ける『驚かしの緩急』にまんまとヤられました!見終わる頃にはヘトヘトに。

『驚かし』演出の上手さは最近のホラー映画では随一じゃないかな?常に心臓がいつもより高い位置にあるような感覚でした。

てか怖ぇよ!

 

続編としてのバージョンアップ!

今回の話は、ブレア1作目で失踪した主人公ヘザーらしき女性が映った動画が動画サイトにアップされ、それを見つけた弟ジェームズが友達と共に、姉が失踪したと思われる森:ブラック・ヒルズに捜索しに行く… といった内容だ。

 

まず登場人物が1作目の倍の6人!「いえ〜い!6人いれば心強い!」と思わせる絶妙な人数。そして衛星電話・ドローンカメラ・耳に掛ける小型アクションカム・携帯監視カメラと機材や装備も万全!格段に1作目より心構えと意気込みが違う!

なんだけど...

そんなものは脆くも崩れさることに。森も森でヤバさを増していた!1作目に出てきた石が積まれたお墓のような『予告』や、木の枝で作られた人形に加え、いくつかの新設定も追加されしっかりとバージョンアップ!

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本作を観ていて印象的だったのが『暗い劇場』と『舞台となる森』がシンクロする感覚だ。早くこの『森=劇場』から出たいと思わせる、息つく暇もない『驚かし』。

デカいスクリーンも相まって、今まさに自分が彼等と共に『夜の森』にいるような感覚に襲われ、完全な疑似肝試し状態!夜の森って静かだと思うでしょ?そんな常識もぶっ飛ぶ状況に、実際にこんな事が起きたら発狂する自信あるわ!

 

前作のオマージュと比較 (1作目のネタバレあり)

1作目を観直したので軽く本作と比較すると、

1作目同様、消息を絶った学生たちが撮ったビデオテープが見つかり、それを第3者が編集して1本の作品にした体のファウンド・フッテージという作りはそのまま今回も引き継がれている。

機材が万全だったり人数は増えているものの、1作目と森に入るまでの流れが同じで。森に入る前にモーテルに泊まり、酒を呑みつつ和気あいあいと翌日森に行くのを楽しみにしている。それがすでに死亡フラグに見える。

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続編だけあって、ちゃんと1作目の先を描いてくれたのが良かったなと。1作目のラストは壁に向かって立っていたマイケルの後ろ姿を発見したヘザーが、何者かに殴られて倒れ、そこでビデオが終わるという謎を残す締めで、ガクッと来た人が多いと思うんだけど。

あのマイケルの『壁に向かって立っていた理由』が本作ではちゃんと明かされる。あ〜そういう事だったなのね。1作目がそういう理由で立たせてたかはさて置き、そこを拾ってくれたおかげで、1作目のモヤモヤが若干解消された。

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↑ 謎を読んだ1作目のラストシーン

 

終盤のボンヤリ感までオマージュ!

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とは言いつつも『驚かし』がエスカレートして来るカオスな後半は、もはや何でもアリなので逆にインパクトに欠けました。演出に慣れたってものあるのかな。

本作から追加された新しい展開や、終盤近くまでウロつき森を支配していた『何か』の存在が、結局最後までボンヤリしたままだったので、

やるだけやって終わりかい! 
と若干の肩透しを食らった。盛大に『驚かせる』ことだけで監督が満足しちゃったのか、ラストの締めは1作目同様にパッとしなかった。そこまでオマージュするな!w

でもこの『分からなさ』が何が起こってもおかしくないブラック・ヒルズという魔の森の恐ろしさなのかなと1人納得し劇場を後にしました。そう簡単に分かってるたまるか!

 

良かったところ/気になったところ (ネタバレ注意)

本作の一番の功績は『日がいつまでも昇らない』という森の新設定だ。時計では朝の7時のはずなのに暗い。いつまでもひたすらに暗く、この『夜の森』が昼間に比べ物にならないくらい怖いのよ!懐中電灯の明かりだけが頼りだから視界も狭く、どこから何かが飛び出して来るか分からない恐怖がより増す羽目に。

それと枝で作られた人形が、五寸釘を打ち込んだ藁人形のような使われ方をしてたシーンが良かったな。何かに連れ去られたりいなくなるシーンが大半な中、あのシーンは一見見辛いんだけど、唯一ちゃんと人が死ぬシーンで新鮮でしたね。

あと良い意味で『妙な後味』を残したのが、序盤にジョージが姉のヘザーだと思って見ていた投稿動画は、実は今回の出来事の映像だったということ... なんだこの放り投げられた気持ち悪さは!時空が歪んでいるのか、謎は深まるばかり。。

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反対に気になったところは、はやり画質がキレイ過ぎる!1作目の生々しい画質からの時代からカメラが進化したとは言え、小型のアクションカムとかキレイ過ぎじゃん!?手持ちのブレとか、編集の気味の悪いノイズとかは?一応やるものの、もうちょっと生々しくても良かったかな。

他で言うと、6人の中の1人が森の恐怖で狂っちゃうんだけど、そいつが『森の使い』みたな役回りになって、仲間に襲いかかる展開はちょっと冷めた。あくまでも森自体の怖さを体感したいのに終盤、単にヤバいやつが襲って来る普通のホラー的な見え方になっちゃってたのは勿体い。

それとこれは誰もが思うことだろうけど、

お前ら普通に声かけろ!

単に仲間に声かけるだけなのに、そこも『驚かし』にしちゃうのでさすがにイラッと来ました!そういう作りだと分かっちゃえば慣れてしまうけど。

 

全体的には1作目の持ち味を押さえつつアトラクション路線にシフトし、新たらホラーシリーズの幕開け。現代的『リブート』ととしての考えた方が飲み込みやすい作品かな。ブレア1作目を舐めてる人ほど、是非とも劇場で観て欲しい一作でした!

 

まとめ

評価:★★★  普通に楽しめました。

1作目を観直した時に「あ〜こんな感じだったっけ」と多少落胆したのもあって、思ってたよりこの続編は面白かったですね。腹7分目くらいの満足度でした!本当はあと2時間くらい恐怖を味わっていたかったけど。

【クライモリ】シリーズばりにこれを機に3作目・4作目と作って行って欲しいですね。予告を観る限りそうでもなさそうなんだけど、これを劇場で観るととたんに印象が変わる!

[ 予告編 ]

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